日本6大和牛とは?それぞれの名称と特徴を解説

牛肉でよく聞くBMSって何?A5やA4とどう違うの? ブランド和牛

和牛は日本国内で生産されるブランド牛の総称で、その中でも特に質が高く評価される6つのブランドが「日本6大和牛」と呼ばれています。
それぞれが異なる特徴と風味を持ち、その極上の味わいが世界中から愛されています。
今回は、神戸牛・松阪牛・近江牛・米沢牛・宮崎牛・仙台牛の6つの和牛について、それぞれの名称と特徴を深掘りして解説します。

1. 神戸牛

「神戸肉・神戸ビーフ」は「但馬牛」の中でも特に厳しい基準を満たしたものを指します。
対象となるのは未経産牛・去勢牛で、歩留・肉質等級が「A」「B」4等級以上、脂肪交雑のBMS値がNo.6以上、そして枝肉重量が雌牛の場合270kg以上から499.9kg以下、去勢牛の場合300kg以上から499.9kg以下であることが求められます。

さらに、神戸ビーフの豊かな風味と旨味は、その高いmufa数値や、豊富な風味決定要素であるオレイン酸と旨味成分のイノシン酸に由来します。
品評会で選ばれた神戸ビーフは厳しい審査を通じて最高値で競り落とされ、神戸ビーフを扱えるのは指定登録店だけです。
これらの厳格な基準と取り組みが、神戸ビーフの高いブランド力を支えています。

2. 松阪牛

松阪牛は、三重県松阪市とその近郊で肥育される黒毛和種の牛を指します。
松阪牛の定義には、松阪牛識別管理システムへの登録、松阪牛生産区域での肥育、生後12ヵ月までの松阪牛生産区域内での飼育など、厳しい条件が設けられています。

松阪牛は、兵庫県から導入した生後8ヵ月の優秀な仔牛を900日以上の長期間肥育することで、特産松坂牛という名が冠されます。
肥育期間が長いため、コストとリスクは増大しますが、それが松阪牛の品質を保証します。

松阪牛の最大の特徴は、その美しい霜降りととろけるような食感です。その原因は、不飽和脂肪酸の比率が高い脂肪にあり、和牛に比べて融点が低いため、口の中で直ちに溶けます。
そのため、松阪牛の取り扱いや温度管理は非常に重要です。

3. 近江牛

「近江牛」は滋賀県が原産地で、ブランド和牛としては最も長い歴史を持つとされています。
近江牛は「究極の味と香り、味の芸術品」で、「肉質はきめ細かく、脂は甘く、とろけるようなおいしさ」が特徴です。
しかし、他のブランド和牛に比べてPRは少なく、目立つのが苦手な一方、プロの料理人からは高評価を受けています。
価格もリーズナブルで「うまくて安い牛肉」として知られています。
「松阪牛」「神戸牛」「近江牛」は日本三大和牛と称されており、日本で最も有名なブランド牛といえるでしょう。

4. 米沢牛

米沢牛は、山形県の置賜エリアで生産されるブランド牛。
独自の麦やトウモロコシ配合の肥料で飼育されることから、高品質な牛肉が生産されます。
また、米沢牛は近江牛の代わりに日本三大和牛にも数えられることも多い傾向にあります。
(松阪牛、神戸牛、米沢牛)

米沢牛と認定されるには、以下の条件があります。

  1. 認定された置賜三市五町の飼育者が飼育。
  2. 肉牛は黒毛和種の未経産雌牛。
  3. 米沢牛枝肉市場などで取引され、一定の格付けを受けたもの。
  4. 生後32ヶ月以上で、3等級以上の高品質の肉質・脂質を持つもの。
    これらの厳格な基準を満たすものだけが米沢牛とされます。

更に、米沢牛は地理的表示(GI)保護制度にも登録されており、日本屈指のブランド牛といえるでしょう。

5. 宮崎牛

「宮崎牛」は、宮崎県で育った黒毛和種で、5等級・4等級を満たすものを指します。
全国や海外に500店舗以上の指定店があり、一貫した体制で提供されており、安定した品質が保証されています。
2017年12月に地理的表示(GI)として登録されました。
宮崎県産の肉用子牛の品質は全国で高評価を受けており、約4割が県外に出荷されている。
宮崎牛は「宮崎方式」と呼ばれる独自の肉用牛改良体制に取り組んでおり、安定した高品質な肉質が実現しています。

6. 仙台牛

仙台牛は宮城県内で年間約2万頭が出荷される黒毛和牛の中でも、厳しい「A5」「B5」の基準を満たすわずか3割の最高級品。
他のブランド牛とは異なり、5等級以上でなければ仙台牛を名乗ることは許されません。
その歴史は昭和6年に始まり、昭和49年に導入された「茂重波」号の種牛が現在の品質の土台となりました。
飼育期間は約30ヶ月で、きれいな水と良質な稲わらの下、細心の注意を持って健康管理が行われおり、その結果、風味豊かな霜降り肉が誕生します。

まとめ

日本6大和牛とされる神戸牛・松阪牛・近江牛・米沢牛・宮崎牛・仙台牛について解説しました。
それぞれ独自の飼養技術によって生産されており、高品質な肉質を実現します。
それぞれが持つ特色を理解し、その違いを味わうことで、和牛の奥深さを更に感じることができるでしょう。

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