酪農家の年商ってどのくらい?利益率や経営状況について紹介します。

ホルスタイン種 牛肉コラム

酪農家に興味がある方なら

  • 酪農家の年商ってどのくらいなの?
  • 利益率ってどのくらい?

というお金に関することは気になりますよね?

実際にニュースやインターネットでは厳しいという話題が上りますが、実際にどのくらい厳しいのかは把握しにくいですよね。

そこで今回は酪農家のお金の部分に関することをご紹介していきます。

 

酪農家の年商ってどのくらい?

酪農家の年商は規模によって様々ですが、1頭当たり大体80万円の売上となります。

  • 100頭規模であれば8,000万円
  • 500頭規模であれば4億円

程度が概ねの年商です。

この年商の根拠は

  • 1頭当たり1年間に絞れるキロ数が8,000キロ
  • 乳価が90円~100円

ということで、8,000円×100円=80万円となっています。

大規模経営の場合は3,000頭規模の頭数を飼養するケースもありますので、20億をこえる年商となるケースもあります。

単価が高いので、年商は他の業種よりも伸びやすい傾向にあります。

最も

  • 実際は産まれた子牛を販売
  • 乳が絞れなくなった牛を売る
  • 乳量が思ったように絞れない

という問題もあるので、概ねの年商だと思っておいてください。

 

酪農家の利益率ってどのくらい?

これも経営体質によって様々ですが、売上高に対する利益率が10~15%であれば経営として優秀だという感じですね。

  • 売上高が1億円あれば1,000万円の利益
  • 売上高が5億円あれば5,000万円の利益

があれば優秀な経営をしているなぁという感じです。

依然私が決算書を見た酪農家は

  • A農家・・売上高が5億円で利益が1千万円
  • B農家・・売上高が6億円で利益が9千万円

という感じでした。

鍵を握るのはどれだけ良い乳質の乳を搾れたか、どれだけ牛を死なせていないかというところです。

 

大きい牧場の方が儲かりやすいの?

酪農家の中には家族で小規模でやっているところから数千頭規模で牛を飼育しているメガファームまで様々な形態があります。

規模が大きい牧場の方が儲かっているように見えますが、実はそんなことはありません。

近年では家族経営の牧場の方が利益率が高くて、大きい牧場の方が経営に苦しんでいるという実態があります。

一般的にいわれる規模の経済が成功しない理由は下記の3つです。

  • 家族経営の方が牛の管理ができやすい
  • 大きい牧場の場合は管理している人の能力が全然違う
  • 飼養頭数に応じた従業員が確保できない

具体的に見てみましょう。

家族経営の方が牛の管理がしっかりしている傾向にあり

家族経営の方が一般的に牛の管理がしっかりしているしている傾向にあります。

家族経営の場合は牛の成績がそのまま生活に跳ね返ってくるので、一生懸命牛の管理をします。

大規模経営の場合は従業員が管理しており、直接生活に跳ね返るわけではないので、家族経営よりも牛の管理が雑になる傾向があります。

 

大きい牧場の場合は管理能力に差が出る

家族経営の場合は家族が牛を見ます。

そのため、どこの牛舎でも一定以上の能力がある人が牛を見ることがほとんどで、牛舎によっての成績というのはそう大きく変わりません。

しかしながら、大規模牧場の場合は能力がある人と能力がない人の差が牛舎によって大きく出ます

大規模経営の場合は牛舎の数が多いので、能力のある人が全部の牛舎を管理することが難しいため、能力のない人も牛舎を管理する必要性がでてきます。

結果牛舎によって牛の成績に大きく差が出るという実態があります。

そのため、小規模経営の方が一般的に一棟あたりの牛舎の成績が高い傾向にあります。

管理能力に差が出るのは大規模経営のデメリットといえますね。

 

大規模経営の場合は十分な従業員が確保できない

大規模経営の場合は十分な従業員が確保できないという問題があります。

家族経営の場合は家族で管理できる範囲の牛しか見ませんが、大規模経営の場合は十分な従業員が必要です。

昨今の人手不足、酪農に対するイメージが悪いことからほとんどの酪農家では人手不足が悩みの種です。

従業員を確保できない→牛の管理が悪くなる→経営が悪くなる

という悪循環にはまりやすいのは大規模経営の方ですね。

 

まとめ

今回は酪農家のお金にまつわる話をしていきました。

ポイントは

  • 酪農家の年商は1頭あたり80万円程度。大規模経営の場合は年商が10億~20億となるケースも
  • 利益率は売上高の10%以上あれば優秀
  • 大規模経営の場合が意外と儲からないことも

という点です。

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