牛肉はなぜ高い?牛肉が高い3つの理由を解説

牛肉コラム

鶏肉や豚肉と比べて、なぜ牛肉は高いのか疑問に思われたことはありませんか?
スーパーや飲食店で牛肉の方が安いということはほとんどないかと思います。
今回は牛肉が高い3つの理由について解説していきます。

牛肉が高い3つの理由

牛肉が高い理由は下記の3つです。

  • 飼養期間が長い
  • 生産費の高さ
  • 繫殖能力が低い

具体的に解説していきます。

理由1:飼養期間が長い

牛肉が高い一番の理由は飼養期間の長さにあります。
鳥、豚、牛の生まれてから飼養期間の長さを比較してみましょう。

  • 鳥・・約40日
  • 豚・・約180日
  • 牛・・約600日~(和牛であれば800日~)

鳥や豚と比較すると数倍から数十倍の飼養期間があります。
鳥や豚と異なり、ぽんぽん出荷できるわけではないため、価格が高くなりやすいです。

理由2:生産費の高さ

牛は鶏や豚と比較して、生産費が非常に高いです。
生産費というのは1頭を牛肉にするまでかかった費用のことをいいます。
農林水産省などのデータを参考にすると、畜種ごとにおよそ下記の生産費がかかっていました。

  • 牛・・53万4792円(国産牛)1,142,608円(和牛)
  • 豚・・3万3824円
  • 鶏・・採卵鶏3338円、ブロイラー440円

牛だけ桁違いに高いですよね。
高い理由は上述している飼養期間の長さです。
それだけ餌(1日500円以上)を食べさせなければならないため、牛肉自体の値段も高くなるということですね。

理由3:繫殖能力が低い

牛は鶏や豚と比較すると繁殖能力が低いです。
各々繁殖能力を比較すると下記の通り。

  • 鶏は1日1個、年間300前後卵を産む
  • 豚は妊娠期間114日で1年間で2.5回分娩。1度で10頭程度産む
  • 牛は妊娠期間280日で1年間で多くても1頭

鶏や豚はぽんぽん子供を産むのに対して、牛の子供を産む感覚はほぼ人間と同様。
何頭も出荷できるわけではなく、非効率な生産のため、牛肉も高くなりやすいということになります。

牛肉がさらに高くなる日も遠くはない

牛肉は今後ますます高くなることは間違いないでしょう。
理由は世界的な食肉需要が高まっている一方で、SDGsの観点から牛肉自体は増やしにくいためです。
下記は農林水産省が提供している世界全体の食肉需要の推移です。

図1-2-5 世界全体の食肉需要の推移と見通し

世界の食料の需給動向と我が国の農産物貿易 イ 食料需給をめぐる今後の見通し 農林水産省)
日本は少子高齢化しているので、食肉需要は伸び悩んでいますが、世界的に見ると食肉需要は右肩あがりになっています。

一方で、牛肉を簡単に増やせるかというとそうではありません
牛のだすゲップが温暖化の理由になっているとされているからです。
牛のゲップが吐き出されるメタンは強力で、世界で排出される温室効果ガスの4%を占めるといわれています。
生き物だから、ゲップをやめろといっても無理な話でしょう。
当然牛の頭数を減らすしかなくなります。
需要が増える一方で、供給は減らさないといけないので、価格は当然上がってくるでしょう。

また、ウクライナ情勢の悪化の影響や円安の影響で飼養価格があがり、益々餌代が高くなってきています。
正直今の価格帯ではほとんどの畜産農家は経営が成り立たないでしょう。
そのため、どこかのタイミングで牛肉の値上げを余儀なくされます。

このように牛肉の値段は上がることはあっても、下がることはあまり考えられません。
焼肉が超高級店になる!ということもありうるので、今のうちに十分に食べておいても良いかと思います。

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