国産牛とアメリカ産牛肉の違いは?味、安全性、価格の違いを解説

アメリカ産牛肉

スーパーで必ずといっていいほど並んでいる「国産牛」と「アメリカ産牛肉」。
なんとなく国産牛の方が安全そうだけど、アメリカ産牛肉の方が安いし・・といった違いは分かる方が多いものの、はっきりとした違いは分からないという方がほとんどではないでしょうか。
そこで今回は「国産牛」と「アメリカ産牛肉」の違いについて、味・安全性・価格といった3つの要素から解説していきます。

国産牛とアメリカ産牛肉の味の違い

国産牛とアメリカ産牛肉の味はよく似ています
理由は国産牛もアメリカ産牛肉もトウモロコシなどの穀物飼料を利用した牛肉のためです。
いずれも適度な脂質が入った牛肉となっており、柔らかさが特徴。
日本人の口に良くあった牛肉といわれています。

ただ、国産牛とアメリカ産牛肉の味はよく似ているのですが、国産牛の方が美味しいという評判が多い傾向にあります。
理由は「国産牛には和牛の血統が混じっている交雑牛であるケースもあること」、「飼養管理が日本の方がしっかりしていること」の2点があげられます。

国産牛は主に「ホルスタイン種・交雑牛・その他乳用種」の3つに分けられるのですが、この中でも最も美味しいといわれているのが交雑牛です。
交雑牛は和牛とホルスタイン種の掛け合わせの牛肉です。
和牛も混じっている分味がしっかりしているため、国産牛の中でも美味しく食べられるでしょう。

また、日本の方が飼養管理がしっかりとしており、牛肉の味がしっかりしやすいという特徴があります。
アメリカ産牛肉は多頭飼いで数十頭から数百頭でフィードロットと呼ばれる肥育場でまとめて飼養されています。
一頭一頭しっかり飼養という訳ではなく、まとめることによるコストダウンを図る飼養方法です。
一方で日本の牛肉は牛舎によって区切られており、数頭~20頭規模を区切りとして一頭一頭しっかりと飼養されています。
こういった飼養方法の違いが牛肉の味に違いがでて、国産牛の方が美味しいとされています。

国産牛・アメリカ産牛肉の安全性の違い

安全性は国産牛の方が高いといえます。
理由は国産牛には肥育ホルモン剤が使用されていないこと、日本ではトレーサビリティ法にて一頭ずつ管理されていることなどが挙げられます。
肥育ホルモン剤とは牛を効率的に太らせるための薬のことをいいます。
EUの獣医公衆衛生に関する科学委員会では肥育ホルモン剤は人間の健康を害するリスクがあるとし、家畜への投与を禁止しています。
また、日本でも家畜への投与を禁止しています。(※ただし、肥育ホルモン剤が投与された牛肉の輸入は禁止していません。)
一方で、アメリカ産牛肉は肥育ホルモン剤が禁止されておらず、数多くのアメリカ産牛肉に肥育ホルモン剤が投与されています
ホルモン剤の効果は埋め込まれてから約2~3ヶ月間しか持続しないため、食用として出荷される頃には、ホルモン剤は牛の体内からなくなっているため問題がないというのがアメリカ側の見解ですが、実際のところは不透明です。

また、日本ではトレーサビリティ法にて、牛1頭ずつにマイナンバーをつけ厳格な管理が実施されています。
疫病が発生する可能性は現時点でも非常に低いのですが、万一発生したとしても早急な原因究明と対処ができます。
その他にも様々な要因がありますが、安全性においては国産牛の方が極めて高いと言えるでしょう

国産牛・アメリカ産牛肉の値段

国産牛とアメリカ産牛肉ではアメリカ産牛肉の方が安いです
理由は下記の3点です。

  • 広大な土地があるため、飼養効率が良い
  • アメリカ産牛肉は穀物飼料を自国で安価できる
  • 成長ホルモン剤を利用している

アメリカ産牛肉が安い理由は下記の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。

アメリカ産牛肉はなぜ安い?安価で提供できる3つの理由!
アメリカ産牛肉が安い!と感じる人も多いですよね。 国産牛や和牛よりも安価なアメリカ産牛肉。 円安の影響もあり、徐々に高くなってきてはいるものの、依然として国産牛よりも安い傾向にあります。 そこで今回はアメリカ産牛肉が国産牛や和牛と比較...

ただし、近年では円安やアメリカのインフレの影響もあり、徐々に価格差が縮まってきています。

まとめ

今回は「国産牛」と「アメリカ産牛肉」の違いについて、味・安全性・価格といった3つの要素から解説してきました。
ポイントは下記の通り。

  • 国産牛とアメリカ産牛肉は味が似ているが、国産牛の方が人気が高い
  • 安全性が国産牛の方が高い
  • 価格はアメリカ産牛肉の方が安い。ただし、差は縮まってきている

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