アメリカ産牛肉はなぜ安い?安価で提供できる3つの理由!

アメリカ産牛肉

アメリカ産牛肉が安い!と感じる人も多いですよね。
国産牛や和牛よりも安価なアメリカ産牛肉。
円安の影響もあり、徐々に高くなってきてはいるものの、依然として国産牛よりも安い傾向にあります。
そこで今回はアメリカ産牛肉が国産牛や和牛と比較して安価な理由について解説していきます。

アメリカ産牛肉が安い3つの理由

アメリカ産牛肉が安い理由は主に下記の3つです。

  • 広大な土地を活用しており、多くの牛を飼うことができる
  • トウモロコシなどの餌を自国で生産できる
  • ホルモン剤が使われており、効率が良い

具体的に解説していきます。

広大な土地を活用しており、多くの牛を飼うことができる

アメリカは国土が広いため広大な牧草地を活用し、牛を生産しています
牛一頭あたりの費用がほとんどかからず、また多頭飼いできるため、スケールメリットが大きいと言えるでしょう。
一方で、日本では国土が狭いため、広大な土地を活用することができません。ほとんどケースでは牛舎で牛を飼っています。
一農家で飼養できる頭数は限られています。
そのため、国内生産の場合、スケールメリットがほとんどなく、一頭を飼養するコストが高い傾向にあります

トウモロコシなどの餌を自国で生産できる

アメリカは農業大国と呼ばれており、世界でも有数の農業地域です。
特に牛のメインの餌となるトウモロコシは世界でもアメリカがトップシェアを誇り、世界の生産量のおよそ3割を占めます。
そのため、アメリカは自国で安価な餌を調達できるため、安価な餌で牛を飼養することができます

一方で、日本は餌を自国で十分に調達できず、高い外国産の輸入した餌を調達しなければなりません
餌のコストも日本の方が高くなり、価格に転嫁せざるを得なくなった結果、アメリカ産牛肉の方が安くなるという構造になっています。

成長ホルモン剤を活用しており、効率が良い

アメリカ産牛肉は成長ホルモン剤を使用しているため、効率よく牛が育ちます。
アメリカンビーフ&アメリカンポーク公式サイトの説明によると、アメリカ産牛肉には下記の通り成長ホルモン剤が利用されています。。

牛の肥育用に使われるホルモン剤について

肥育場に移された牛には、飼料効率を向上させ体内のタンパク質の合成をスムーズにするため、ホルモン剤が使用されます。米国で許可されている肥育用のホルモン剤は、天然型と合成型あわせて6種類ありますが、いずれも直径2ミリ、長さ3ミリほどの小さなペレット状をしています。これを、肥育場に移してすぐに、牛の耳の皮下に埋め込みます。一般的に牛の肥育期間は3~5ヶ月ですが、ホルモン剤の効果は埋め込まれてから約2~3ヶ月間しか持続しないため、食用として出荷される頃には、ホルモン剤は牛の体内からなくなっています。また、ホルモン剤の残留基準は、アメリカ食品医薬局によって定められ、厳しく監督されています。

肥育牛として餌代を最小限に抑えることができるため、安価で牛肉を提供できるという仕組みです。

しかしながら、ホルモン剤の安全性は実は各国で疑問視されています
食用として出荷する際は残存物がなくなっているとのことですが、不安に思う方も多いかと思います。
事実、EUではホルモン剤の使用及びホルモン剤を投与した牛肉の輸入は禁止されています。
日本でもホルモン剤の投与は禁止されています。しかしながら、ホルモン剤を投与した牛肉の輸入は禁止されていません
こういったことからアメリカ産牛肉はホルモン剤を投与できる分、成長が早く飼養コストが安く安価で牛肉を提供できています
一方で、ホルモン剤を使用しているため、国産牛よりも安全性は低いと言えるでしょう。

 

まとめ

今回はアメリカ産の牛肉が安い理由について解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。

  • アメリカ産牛肉は広大な土地を活用できるため、多頭飼いができる
  • 世界トップシェアを誇る農業大国で、安価でエサを調達できる
  • 成長ホルモン剤を活用しており、効率が良い牛肉生産ができる

コメント