オーストラリア産とアメリカ産の牛肉の違いを徹底検証!【どっちが美味しい?】

スーパーでよく見かける外国産牛肉といえば、オーストラリア産牛肉とアメリカ産牛肉ですよね。
毎日のように陳列されていますが、この2つの牛肉の違いを正しく理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、オーストラリア産牛肉とアメリカ産牛肉の違いを徹底検証し、味・食感・栄養・安全性まで詳しくご紹介します。
この記事を読めば、自分の好みや料理に合わせた最適な牛肉選びができるようになります。

この記事の監修者:うしまる
北海道の元農協職員。15年以上、肉用牛農家の経営支援
ファイナンス設計・新規事業立ち上げを経験。
現在は「牛肉会」の編集長として、科学的かつ実務に基づいた牛肉情報を発信中。
1. アメリカ産牛肉とオーストラリア産牛肉の基本情報
世界で広く流通する外国産牛肉の中でも、日本のスーパーや飲食店で特によく見かけるのがアメリカ産牛肉とオーストラリア産牛肉です。
同じ牛肉でも育った環境・肥育方法・飼料の違いによって、味わいや食感、栄養価、安全性は大きく変わります。
ここでは、それぞれの産地・飼育方法・特徴をわかりやすく解説します。
🥩 1-1. アメリカ産牛肉とは
- 主な産地:ネブラスカ州、テキサス州、カンザス州など中西部の広大な牧場地帯
- 飼育方法:グレインフェッド(穀物肥育)が中心。トウモロコシ・大豆など高エネルギー飼料を使用
- 肥育期間:約18〜24か月(時間をかけてじっくり脂をのせる)
- 特徴:豊富なサシ(脂身)による柔らかさ・ジューシーな味わい・コクのある旨味
アメリカ産牛肉は、脂の質が良く甘みとコクを兼ね備えているのが魅力。脂身の入り方は国産和牛にも似ており、日本人好みの柔らかさを持っています。
また、大規模生産と効率的な流通システムにより、安定した価格で供給されており、ステーキ・焼肉・ローストビーフなど脂の旨味を活かす料理にぴったりです。
さらに、アメリカではUSDA(米国農務省)の厳格な格付け制度があり、プライム・チョイス・セレクトの等級で品質を評価。
高級レストランで使用されるUSDAプライムビーフは、特に霜降りが豊富でジューシーな食感が楽しめます。
🐄 1-2. オーストラリア産牛肉とは
- 主な産地:クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州など
- 飼育方法:グラスフェッド(牧草肥育)が中心。一部グレインフェッドもあり
- 肥育期間:約12〜18か月(自然放牧が基本)
- 特徴:赤身が多く低脂肪・高たんぱく。肉本来の香りと旨味が豊か
広大な草原で放牧される牧草牛(グラスフェッド)が多く、自然に近い環境でストレスなく育てられます。
そのため、脂肪分が少なく低カロリーかつ高たんぱくで、ダイエットや筋トレ中の食事にも最適。
また、鉄分や亜鉛などのミネラルも豊富で、健康志向の方から支持を得ています。
さらに、BSE(牛海綿状脳症)発生歴ゼロという安全性の高さも大きな魅力。厳しいトレーサビリティ制度により、個体識別・飼育履歴も徹底管理されています。
赤身肉ならではのしっかりとした噛みごたえと牧草由来の香りが特徴で、ロースト・煮込み料理・低温調理などで旨味が引き立ちます。
特にオージービーフは、日本のハンバーガーチェーンやファストフード店でも広く採用されています。
2. アメリカ産牛肉とオーストラリア産牛肉の違いを比較
下の比較表で、アメリカ産牛肉とオーストラリア産牛肉の特徴を一目で確認できます。
比較項目 | アメリカ産牛肉 | オーストラリア産牛肉 |
---|---|---|
脂身と赤身の割合 | 脂身が多く霜降り豊富 | 赤身が多く脂身少なめ |
食感 | 柔らかく噛み切りやすい | しっかり噛みごたえ |
風味 | 脂の甘みと旨味が強い | 牧草由来の香りと肉本来の風味 |
飼育方法 | 穀物肥育(グレインフェッド) | 牧草肥育(グラスフェッド) |
飼育期間 | 約18〜24か月 | 約12〜18か月 |
主な用途・外食チェーン | 吉野家・松屋・ジョナサン・安楽亭など | 日本マクドナルド・大手ハンバーガーチェーン |
2-1. アメリカ産牛肉の特徴
アメリカ産牛肉は、脂身が多くやわらかいのが魅力。
高栄養の穀物飼料で長期肥育されるため、サシが入りやすく旨味も濃厚です。
- 適度な脂身でジューシー
- 旨味が濃く香りが豊か
- 柔らかく食べやすい
特にUSDAプライムビーフやチョイスランクは輸入牛肉の中でもトップクラスで、外食・家庭問わず人気です。
2-2. オーストラリア産牛肉の特徴
一方、オーストラリア産牛肉は、赤身が多くヘルシーなのが最大の特長です。
グラスフェッド(牧草肥育)で育つため脂肪分が少なく、肉本来の香りとしっかりとした噛みごたえが楽しめます。
見た目がやや黄色みを帯びることがありますが、これは牧草由来のβカロテンによるもので、安全性には全く問題ありません。
- 脂身が少なく、低脂肪・高たんぱく
- 牧草の風味が感じられる自然な香り
- BSE発生歴ゼロで安全性が高い
外食チェーンでは、日本マクドナルドをはじめとする大手ハンバーガーチェーンで多く採用され、価格と品質のバランスの良さから家庭用としても人気です。
3. 味の好み別おすすめ
アメリカ産牛肉とオーストラリア産牛肉は、それぞれ異なる魅力を持っています。ここでは、味・食感・健康面に合わせた選び方をご紹介します。
3-1. ジューシーで柔らかい肉が好きな方
とろけるような柔らかさと、口いっぱいに広がる脂の甘みを楽しみたいならアメリカ産牛肉がおすすめ。
特にステーキやローストビーフなど、肉の旨味を存分に活かす料理に向いています。
- サシ(霜降り)がしっかり入っている
- 柔らかくジューシーな食感
- 脂の甘みとコクを楽しみたい
3-2. 赤身肉の旨味や噛みごたえが好きな方
脂控えめで引き締まった肉質を好むならオーストラリア産牛肉がおすすめ。
ヘルシーかつ高たんぱくなので、ダイエット中・筋トレ中の方にもぴったりです。
- 脂身より赤身を選びたい
- 肉本来の香りや味を楽しみたい
- 低脂質・高たんぱくな食生活を意識している
3-3. 料理別のおすすめ
- ステーキ:アメリカ産牛肉(ジューシーで豪快な味わい)
- 焼肉:アメリカ産牛肉(脂身の甘みがタレと好相性)
- ローストビーフ:アメリカ産牛肉(柔らかく旨味が濃い)
- ハンバーガー:オーストラリア産牛肉(赤身の香りと旨味が際立つ)
- 煮込み料理:オーストラリア産牛肉(肉質が締まり、旨味が凝縮)
4. 安全性・品質管理体制
輸入牛肉を選ぶとき、多くの人が重視するのが安全性です。
アメリカ産とオーストラリア産の両方が、厳しい品質管理のもと生産・出荷されています。
4-1. アメリカ産牛肉の安全管理(USDA検査体制)
- USDA(米国農務省)の格付け・衛生検査:品質・衛生を検査官が確認し、プライム・チョイス・セレクト等級を付与
- HACCP制度:食肉処理場で危害分析と重要管理点を義務化
- 残留物質検査:抗生物質やホルモン剤が基準を超えると出荷不可
さらに日本輸入時には厚生労働省の検査も通過するため、二重の安全確認が行われます。
4-2. オーストラリア産牛肉の安全管理(BSEゼロ・トレーサビリティ)
- BSE発生ゼロ:過去一度もBSEが発生していない
- NLIS(全国家畜識別システム):電子タグで出生から出荷まで履歴追跡
- 農薬・抗生物質管理:厳格な基準と残留検査をクリアしたものだけ出荷
広大な自然環境で放牧され、ストレスの少ない飼育環境が特徴。輸出向けもOIE(国際獣疫事務局)基準に準拠しています。
4-3. 日本での輸入時の検査
両国とも、日本に入る際は厚生労働省の動物検疫・食品衛生検査を受け、
残留農薬や微生物などの安全性が確認されたものだけが市場に流通します。
消費者レビューまとめ
アメリカ産牛肉とオーストラリア産牛肉について、消費者約40名の声を整理しました。全体では
アメリカ産牛肉派18名、オーストラリア産牛肉派22名という結果でした。
アメリカ産牛肉派(18名)
- 程よい脂身と柔らかさでジューシー
- 胃もたれしにくいと感じる人も
- ステーキ/ローストビーフとの相性が良い
- 価格が比較的手頃でコスパ良好
オーストラリア産牛肉派(22名)
- 赤身中心でヘルシー・高たんぱく
- 肉本来の香りと旨味が感じられる
- 普段使いしやすい価格と入手性
- 焼き加減はレア〜ミディアムレア推奨
詳細レビューを見る:アメリカ産牛肉(18名)
好評ポイント
- 脂の甘みと柔らかさで満足感が高い
- ステーキ・焼肉・ローストビーフでジューシーさが活きる
- 他の外国産より食感がやわらかいと感じる人が多い
- 価格対効果(コスパ)が良い
気になった点(少数意見)
- 部位やグレードによっては脂が重く感じることも
代表的な声(要約)
「国産より脂が重くないのにジューシーで、最後まで胃もたれせず美味しく食べられた。」
「ローストビーフはアメリカ産が一番作りやすい。やわらかく旨味もしっかり。」
「他の外国産より柔らかくてコスパ良し。普段のステーキはアメリカ産を選ぶ。」
詳細レビューを見る:オーストラリア産牛肉(22名)
好評ポイント
- 赤身中心でヘルシー、日常使いしやすい
- 肉本来の香り・旨味がしっかり感じられる
- すき焼きや牛丼など味を含ませる料理と好相性
- 価格が安定していて買いやすい
気になった点(少数意見)
- 焼きすぎると硬くなりやすい(ウェルダンは不向き)
- 牧草由来の独特の香りを感じる人もいる
代表的な声(要約)
「赤身が美味しいし、普段使いの価格帯。健康面でも選びやすい。」
「焼き加減はレア〜ミディアムレアがベスト。硬さが出にくく旨味も活きる。」
「牛丼や煮込みは味が入りやすく、家族ウケが良かった。」
※本レビューは編集部による消費者ヒアリング(約40名)の要約です。個人の感想であり、感じ方には個人差があります。
料理の仕上がりは部位・等級・調理法(焼き加減・下処理)によっても大きく変わります。
好みの傾向まとめ
消費者約40名への調査では、アメリカ産牛肉派18名、オーストラリア産牛肉派22名と、ややオーストラリア産が優勢。
脂身やジューシーさを重視する人はアメリカ産、赤身やヘルシーさを重視する人はオーストラリア産を選ぶ傾向があります。
まとめ|アメリカ産牛肉とオーストラリア産牛肉の選び方
-
✔ アメリカ産牛肉の魅力:
脂身が多く、柔らかくジューシー。穀物肥育による甘みとコクがあり、ステーキや焼肉に最適。 -
✔ オーストラリア産牛肉の魅力:
赤身が多く低脂肪・高たんぱく。牧草由来の自然な香りとしっかりとした食感が特徴で、健康志向の方におすすめ。 -
✔ 安全性の高さ:
アメリカはUSDA検査体制、オーストラリアはBSEゼロ&トレーサビリティ制度を採用し、どちらも国際的な安全基準をクリア。 -
✔ 味の好みで選ぶ:
脂の旨味を楽しみたいならアメリカ産、赤身の香りと噛みごたえを求めるならオーストラリア産。 -
✔ 料理に合わせた活用:
ステーキ・ローストビーフはアメリカ産、煮込みやハンバーガーはオーストラリア産など、用途別に選ぶとさらに美味しく楽しめます。