牛肉の“シビレ”とは?部位の場所・特徴・食感・おすすめレシピを解説

焼肉屋のメニューで見かける「シビレ」という部位。
名前は耳にしたことがあっても、実際にどこの肉なのか詳しく知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。
実はこのシビレは、牛の胸腺(上シビレ)や膵臓(下シビレ)にあたるホルモンで、成長とともに胸腺は退縮するため非常に希少価値が高い部位です。
その味わいは一度食べれば忘れられないほど独特で、「ぷるぷる&クリーミー」な食感が特長。
脂の重さは少なく、旨味は豊か。焼肉ファンやホルモン通から根強い人気を集めています。
さらにフレンチでは「リードヴォー(ris de veau)」として知られ、ソテーやクリーム煮などの高級料理の主役にもなる存在です。
この記事でわかること
- ✅ シビレ肉が牛のどの部位か(胸腺・膵臓の違い)
- ✅ シビレの味や食感の特徴(ぷるぷる・クリーミー)
- ✅ 焼肉・フレンチでのおすすめ調理法とレシピ
- ✅ シビレ肉に含まれる栄養素(たんぱく質・ビタミン類)
- ✅ 楽天市場で買えるシビレ肉や保存のポイント

この記事の監修者:うしまる
北海道の元農協職員。15年以上、肉用牛農家の経営支援
ファイナンス設計・新規事業立ち上げを経験。
現在は「牛肉会」の編集長として、科学的かつ実務に基づいた牛肉情報を発信中。
牛肉のシビレとは?どこの部位なのか
「シビレ」とは、牛の胸腺=上シビレ、膵臓=下シビレを指す総称です。
胸腺はのど元寄り、膵臓は胸腹部に位置します。胸腺は仔牛期に発達し、成長とともに縮小・脂肪組織へ置き換わるため、上シビレは特に流通量が少ないのが特徴です。
✔ シビレ部位のまとめ
- 上シビレ(胸腺):仔牛に多く、繊維が細かく上品でミルキー。焼いても柔らかさが残りやすい。
- 下シビレ(膵臓):成牛でも得られる。よりクリーミーで濃厚、コクがはっきり。ソテーや煮込みにも好相性。
シビレの食感と味の特徴
シビレは他のホルモンにはない「ぷるぷる&クリーミー」な二面性が魅力。
筋繊維はきめ細かく、火を通すと表面は軽く香ばしく、中はとろりとした舌触りに。
塩・レモン・山わさび・ハーブ(タイム)などの“香りの相性が良い”薬味で、脂の重さを感じにくいバランスに仕上がります。
✔ 食感のイメージ(失敗しにくい火入れの目安つき)
- ぷるぷる:ゼラチン質が豊富で柔らかい(中まで白くなり弾力が出たらOK)
- クリーミー:口どけが滑らか(焼き過ぎると水分が抜け、ボソつきの原因)
- あっさり:脂のしつこさが少ない(塩+レモンで後味すっきり)
おすすめの食べ方・調理法
シビレは焼肉・唐揚げ・フレンチ(リードヴォー)で真価を発揮。素材の水分と香りを活かす火入れがコツです。
調理法 | 手順のポイント | 仕上がりの狙い |
---|---|---|
焼肉(塩・レモン) | 表面の水気を拭き、中火〜強火で片面30〜60秒→返して30秒。厚み次第で調整。 | 外は香ばしく、中はぷるぷる。後味はレモンでキレよく。 |
唐揚げ | 塩こうじor塩2%の下味→片栗粉薄衣→170℃で2〜3分。最後に高温で10〜20秒。 | 外はカリッ、中はクリーミー。レモンや黒胡椒が好相性。 |
フレンチ(リードヴォー) | 軽く塩水で下処理→バター&タイムでソテー→クリーム/デミ系ソースで。 | ミルキーさが際立つ濃厚なコク。白ワインや生クリームと好相性。 |
下処理・選び方・保存のコツ
✦ 下処理(臭み対策)
- 血抜き:冷水に10〜15分浸して血を抜く。水は1〜2回替える。
- 塩水(2%)または牛乳:15〜20分浸し臭みをやわらげる→水気を拭く。
- 下茹で(任意):湯にくぐらせ表面の余分を除くと雑味が減り、焼きムラも少ない。
✦ 選び方(鮮度の見極め)
- 色:くすみが少なく、透明感のある淡い色。
- におい:生臭さや酸味臭が強いものは避ける。
- 触感:表面がべたつかず、弾力がある。
✦ 保存・解凍
- 冷蔵:ペーパーで水気を除き密閉。1〜2日目安で使い切る。
- 冷凍:小分けにして空気を抜き、−18℃で2〜3週間を目安。
- 解凍:冷蔵庫で半日〜1日。急ぐ場合は氷水でやさしく。
上シビレと下シビレの違い(詳しい比較)
項目 | 上シビレ(胸腺) | 下シビレ(膵臓) |
---|---|---|
食感 | ぷるぷるで繊細、ミルキー | より濃厚でクリーミー、コク強め |
相性の良い調理 | 塩焼き、ムニエル風、軽いソテー | 唐揚げ、バターソテー、クリーム煮 |
下処理の難易度 | 比較的やさしい(短時間でOK) | やや丁寧に。塩水・牛乳漬けが有効 |
流通頻度 | 低い(希少) | 上よりは流通するが多くはない |
かんたんレシピ(家庭向け)
1) シビレの塩レモン焼き
- 下処理後、水気を拭いて塩(重量の0.8〜1%)をまぶす。
- 中火〜強火で片面30〜60秒ずつ焼く。
- 仕上げにレモン・黒胡椒。好みで山わさび。
2) シビレのバターソテー(リードヴォー風)
- 塩水→牛乳で臭みを抑え、薄力粉を軽くまぶす。
- バター+タイムでソテー。香り付けに白ワイン少々。
- 皿にとり、同じフライパンで生クリームを軽く煮詰めソースに。
3) シビレ唐揚げ
- 塩(2%)・生姜・酒で15分下味→ペーパーで拭く。
- 片栗粉を薄くまぶし、170℃で2〜3分→高温で仕上げ。
- レモン・七味・山椒で香り高く。
シビレの栄養素
シビレ(胸腺・膵臓)はたんぱく質を含み、ビタミンB群(特にB2)やミネラル(亜鉛・鉄など)を含む内臓系食材です。
詳しい成分値の参照には、日本食品標準成分表2023(八訂)をご確認ください。
栄養素 | ポイント | 期待できるはたらき(一般論) |
---|---|---|
たんぱく質 | 筋肉・皮膚・酵素の材料 | 体づくり・コンディション維持 |
ビタミンB2 | 内臓類で比較的豊富 | 代謝サポート・皮膚・粘膜の健康 |
亜鉛・鉄 | ミネラルをバランス良く含む | コンディション・巡りのサポート |
まとめ|牛肉のシビレは希少で特別な味わい
- ✔ 部位:
牛の胸腺・膵臓にあたるホルモンで希少価値が高い。 - ✔ 食感:
ぷるぷる&クリーミーで、脂っこさが少なく食べやすい。 - ✔ 調理法:
焼肉・唐揚げ・フレンチ(リードヴォー)で真価を発揮、過加熱は禁物。 - ✔ 下処理:
血抜き&塩水・牛乳で臭み軽減、衣は薄く、水分管理がカギ。 - ✔ 栄養:
内臓系ならではのたんぱく質・ビタミンB群・ミネラル。成分は日本食品標準成分表2023(八訂)を参照。
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