スーパーで買える黒毛和牛の値段・相場とおすすめの焼き方

高級焼肉店やステーキ専門店でしか味わえないと思われがちな黒毛和牛ですが、最近は大手スーパーやディスカウント店でも見かけるようになりました。
とはいえ、「値段はいくらぐらい?」「レアやウェルダンの焼き方は?」「安く買えるタイミングは?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。本記事では、スーパーでの黒毛和牛をお得に楽しむための情報をまとめました。
この記事でわかること
- ✅ スーパーで販売されている黒毛和牛の相場や部位別価格
- ✅ スーパーの黒毛和牛が安い理由:経産牛の見分け方と特徴
- ✅ レア・ミディアムレアなど家庭での焼き方のポイント
- ✅ 実際にスーパーで黒毛和牛を購入した人の口コミとおすすめ部位
- ✅ 保存方法や栄養価など、知っておきたい基礎知識

この記事の監修者:うしまる
北海道の元農協職員。15年以上、肉用牛農家の経営支援
ファイナンス設計・新規事業立ち上げを経験。
現在は「牛肉会」の編集長として、科学的かつ実務に基づいた牛肉情報を発信中。
黒毛和牛の基礎知識と値段相場
黒毛和牛は、和牛四品種(黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種)のうち、最も飼育頭数が多い高級肉で、日本の和牛ブランドの代表格です。
霜降り(サシ)がきめ細かく入ることで、柔らかな食感とコクのある甘みが生まれます。
一般的なスーパーでは100gあたり800〜2,000円前後で販売されており、部位や流通経路によって値段が大きく変わります。
以下の表は、精肉店や各種メディアの調査を参考にした部位別の目安です。
部位 | 相場(100gあたり) | 特徴・おすすめ料理 |
---|---|---|
肩 | 約900円 | 赤身が多く煮込みやカレーに適している。程よい脂でハヤシライスにも◎ |
肩ロース | 約1,100円 | 適度な脂と濃厚な味で、すき焼きやローストにぴったり。薄切りのしゃぶしゃぶにも |
バラ(肩バラ) | 約1,000円 | 脂が多く焼肉向け、価格も手頃。刻んでそぼろや肉じゃがにしても美味 |
モモ(内/外) | 約800円 | 赤身中心でローストビーフに向く。高タンパク低脂質でヘルシー |
ロース | 約1,500円 | サシが多くステーキやすき焼きに最適。濃厚な味わいが楽しめる |
バラ | 約800円 | 薄切りにして焼肉や野菜炒めに。肉巻き料理に使うと旨味が染み出る |
ヒレ | 約2,000円 | 希少部位。脂が少なく柔らかでステーキに最適。贈答用にも人気 |
この価格はあくまで目安であり、ブランド牛(神戸牛・松阪牛・米沢牛など)や産地によってさらに上振れすることもあります。
一方、ロピアやオーケーストアなどのディスカウント店では小分けパックや切り落としを安価に販売することが多く、上手に選べば1パック数百円で黒毛和牛を楽しむこともできます。
スーパーの黒毛和牛が安い理由:経産牛(けいさんぎゅう)の存在
一方で、精肉店や通販で販売されている黒毛和牛よりもスーパーの黒毛和牛の方が割安な傾向にあります。
「なぜスーパーの黒毛和牛はこんなに安いのだろう?」と思ったことはありませんか?
実は、安価な黒毛和牛の中には、経産牛(けいさんぎゅう)が含まれていることがあります。
経産牛とは、出産を経験した雌牛のことで、繁殖牛としての役目を終えた後に食肉用として出荷されます。
一般的な未経産の肥育牛に比べると年齢が高く、長年の出産と授乳により筋肉が発達しているため、肉質や脂肪の特徴が大きく異なります。
関連記事:経産牛の肉質はどんな感じ?徹底解説
経産牛はなぜ安い?
経産牛は出産後に再肥育されるケースが多く、霜降りが入りにくいことから市場価値が低めです。
和牛ブランドの価値は霜降りの細かさで決まるため、サシが少ない経産牛は未経産牛より低価格で販売されます。
また、一部のスーパーでは、サステナブルな食材として経産牛を積極的に仕入れており、廃用牛の活用やフードロス削減を目的として価格を抑えて販売することがあります。
味や食感の特徴
経産牛は、長期間にわたり筋肉が鍛えられているため、一般的な黒毛和牛に比べると赤身が濃厚で、噛みごたえがあります。
一方、脂肪が少なくヘルシーですが、肉質はやや硬めで、料理によってはパサつきを感じることがあります。
スーパーで異常に安い黒毛和牛には、黄色味を帯びた脂肪や、乾いた印象の肉が見られることがあり、そうした特徴は経産牛や乳用種の肉である可能性が高いとされています。
脂肪が黄色く乾燥している場合は繁殖を終えた牛や輸入牛の場合があり、黒毛和牛としての価値はさほど高くありません。
経産牛の見分け方と選び方
スーパーで黒毛和牛を選ぶときは、以下のポイントをチェックすると経産牛かどうか見分けやすくなります。
- ✅ 脂肪の色:霜降りの白い脂肪よりも黄色味が強い場合、経産牛や乳用種であることが多い。
- ✅ 肉の乾燥具合:カット面の色が暗く乾いているものは、年齢が高く筋肉が硬い可能性がある。
- ✅ 個体識別番号:パックのラベルに記載された個体識別番号をスマホで検索すると、年齢や産地がわかり、経産牛かどうかを調べることができる。
- ✅ 用途で選ぶ:煮込み料理やカレーなど長時間火を通す料理には、噛みごたえのある経産牛のほうが向いている。
なお、近年は経産牛を再肥育して赤身の旨味を引き出す「熟成経産牛」の人気も高まっています。
しっかりした赤身の旨味が特徴で、ヘルシーな牛肉を求める健康志向の方に支持されています。適切に熟成された経産牛なら、ステーキやローストビーフで美味しくいただけます。
経産牛のポイントまとめ
- ✅ 経産牛とは? 出産経験を持つ雌牛で、未経産牛より霜降りが少なく赤身が濃厚。
- ✅ 安さの理由 市場価値が低く、サステナブルな食材として活用されているためスーパーで安価に販売。
- ✅ 味の特徴 ヘルシーで噛みごたえがあり、煮込み料理や熟成に向いている。
- ✅ 見分け方 脂肪の色や個体識別番号を確認し、用途に合わせて選ぶ。
この章では経産牛の存在と特徴を紹介しました。スーパーで黒毛和牛を購入するときは、値段だけでなく肉の色や脂肪の質をチェックして、用途に合った部位を選びましょう。
実際の口コミ:オーケーストアはコスパ良し
安さで有名なオーケーストアやロピアなどでは、A5ランクの黒毛和牛が信じられない価格で売られていることがあります。
オーケーストアで「肩バラ焼肉(ブリスケ)」が100gあたり499円、切り落とし(ばら・肩・もも)が100gあたり299円と驚きの価格で販売されていたこともあります。
赤身と脂のバランスが良く、柔らかくジューシーで、焼肉やBBQにぴったりだと評価されています。
また、他の口コミではOKストア銀座店でA5ランク黒毛和牛の切り落としが100gあたり329円で販売されていた例も紹介されています。
これらの口コミから分かるように、スーパーによってはA5黒毛和牛でも500円前後で購入できることがあり、経産牛以外にもお得な掘り出し物が存在します。
家庭でできる黒毛和牛ステーキの焼き方
サシが多い黒毛和牛は、火加減を間違えると脂が流れ出て硬くなってしまいます。ここでは、フードコーディネーターのアドバイスを参考に、家庭でプロ級のステーキを焼くコツをまとめました。
- 厚さが均一な肉を選ぶ:火の通りを均一にするため、厚みに片寄りのない肉を選びましょう。
- 常温に戻さない:厚さ2cm程度のステーキ肉は冷蔵庫から出してすぐ焼く方が柔らかく仕上がります。常温に戻すのは3cm以上の厚みの場合のみ。
- 塩・コショウは直前に振る:早めに調味すると水分が出るので、焼く直前に味付けするのがポイント。
- 弱めの中火で裏返しながらじっくり焼く:片面を長く焼くと反り返るので、30秒ごとに裏返して3分〜3分30秒かけて火を通します。
- ニンニクチップを活用:先に油でニンニクを揚げ焼きして香りを付け、その油で肉を焼くと風味がアップします。
焼き上がったらアルミホイルで包み、数分休ませることで肉汁が落ち着きます。レア〜ミディアムレアがおすすめで、柔らかな食感と黒毛和牛の旨味を存分に楽しめます。
さまざまな食べ方:ステーキ・焼肉・ローストビーフ
黒毛和牛は部位によって食感や風味が異なるため、調理法も工夫するとさらに美味しくなります。ここでは代表的な食べ方を紹介します。
- ステーキ:サーロインやリブロースは脂の甘みが強く、塩とブラックペッパーでシンプルに味わうのが一番。わさび醤油や大根おろしポン酢もさっぱりして相性抜群。
- 焼肉:カルビやバラは短時間で焼いて旨味を閉じ込めましょう。肩バラ(ブリスケ)は赤身と脂のバランスが良く、焼肉用に最適です。
- ローストビーフ:モモ肉の赤身を活かした調理法。表面を焼いてから低温でじっくり火を入れ、薄切りにして特製タレや山わさびで食べると上品な味わいになります。
- すき焼き・しゃぶしゃぶ:肩ロースやバラの薄切りは、溶けるようなサシと旨味が割り下やポン酢に染み出し、家庭の鍋料理がワンランクアップします。
ほかにも、ハンバーグやカレーの具に黒毛和牛を使うと、いつもの料理がリッチな味わいに。赤身が好きな方は経産牛のモモ肉やハラミでローストビーフを作るとヘルシーに楽しめます。
保存と解凍のポイント
せっかく購入した黒毛和牛を無駄にしないためには、正しい保存と解凍が欠かせません。
- 冷蔵保存は2〜3日を目安に。購入後はトレーから取り出してキッチンペーパーでドリップを拭き取り、ラップで包んでから冷蔵庫へ。
- 長期保存する場合は冷凍が便利。ラップで空気に触れないよう包み、さらにジップ付きのフリーザーバッグに入れて-18℃以下で保管します。保存期間は1か月程度を目安に。
- 解凍は冷蔵庫でゆっくり行うのが基本。急ぐ場合でも電子レンジの解凍モードを使い、常温や流水での解凍は避けましょう。解凍後は再冷凍せず、当日中に調理してください。
食べ切れなかった肉はカレーやシチュー、炒飯などのアレンジ料理に活用するのもおすすめです。薄切りにして野菜と炒めたり、細かく切ってハンバーグの具に加えると、最後まで美味しく楽しめます。
黒毛和牛の栄養価と健康効果
黒毛和牛にはタンパク質や脂質のほか、鉄分や亜鉛、ビタミンB12などのミネラルが豊富に含まれています。
例えば、肩ロース100gあたりおよそ17.8gのタンパク質、ビタミンB12は約4.6μg、鉄分は1.6mgほど含まれており、身体を作る材料や貧血予防、免疫機能の維持に役立ちます。
一方で、和牛は脂質が多くカロリーも高めです。米国ビーフのサーロイン(輸入牛)に比べると、和牛サーロインはカロリーが約2倍と言われています。
そのため、黒毛和牛は適量を守ってバランスよく食べることが大切です。
野菜やきのこをたっぷり添えてビタミンや食物繊維を補い、過剰な脂質の摂取を抑えると健康的に楽しめます。
経産牛の赤身は脂肪が少なくヘルシーなので、ダイエット中の方には赤身中心の部位がおすすめです。
まとめ|スーパーで賢く「黒毛和牛」を楽しむコツ
- ✔ 手の届く贅沢:
黒毛和牛は今や大手スーパーやディスカウント店でも購入可能。部位や流通で価格差が出るため、目的に合わせて選ぶのがコツ。 - ✔ 価格の目安:
スーパーの相場は100gあたり約800〜2,000円。モモ・バラは手頃、ロース・ヒレは高めになりやすい。 - ✔ 「安い理由」の背景:
特価の黒毛和牛には経産牛(出産経験のある雌牛)が含まれる場合あり。赤身が濃く噛みごたえが出やすい一方、価格は抑えめ。脂の色や個体識別番号で見分けて用途に合わせて選ぶ。 - ✔ 家庭での焼き方:
サシを活かすなら中火で短時間×頻繁に返すのが基本。塩こしょうは直前、焼いた後は休ませてレア〜ミディアムレアで旨味を最大化。 - ✔ 口コミに学ぶ部位選び:
コスパ重視なら切り落とし・肩バラ(ブリスケ)が人気。すき焼き・牛丼・焼肉など日常メニューに贅沢感をプラス。 - ✔ 保存と解凍の基本:
冷蔵は2〜3日目安、長期はラップ+フリーザーバッグで-18℃。解凍は冷蔵庫でゆっくり。余りはカレー・シチュー・炒飯でリメイク。 - ✔ 栄養面の押さえ:
黒毛和牛はたんぱく質・鉄・ビタミンB12が豊富。脂が気になる人は赤身中心(モモ・ハラミ・ヒレ)を選び、野菜やきのこを添えてバランス良く。
— 今日の食卓に、上手に選んでおいしく、そしてお得に「黒毛和牛」を。
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