牛肉タンパク質ランキング|筋トレ・ダイエットに最適な部位TOP10【日本食品標準成分表2023】

牛肉は高タンパク質な食材として知られていますが、実は部位によってタンパク質量は大きく異なります。
筋トレやダイエットを行う人にとって、「高タンパク・低脂質」な部位を選ぶことは、効率的な身体づくりの鍵となります。
この記事では、日本食品標準成分表2023(八訂)の公的データをもとに、牛肉の部位別タンパク質含有量ランキングTOP10を紹介。
さらに、各部位の特徴や調理のポイントも解説します。
この記事でわかること
- ✅ 牛肉の部位別タンパク質含有量ランキング(100gあたり)
- ✅ 高タンパク&低脂質なおすすめ部位
- ✅ 筋トレ・ダイエット目的での部位選びのコツ
- ✅ 栄養素の根拠データ(日本食品標準成分表2023)

この記事の監修者:うしまる
北海道の元農協職員。15年以上、肉用牛農家の経営支援
ファイナンス設計・新規事業立ち上げを経験。
現在は「牛肉会」の編集長として、科学的かつ実務に基づいた牛肉情報を発信中。
結論|1位は「そともも(赤肉)」で21.3gのタンパク質
日本食品標準成分表2023によると、牛肉で最も高タンパクなのは「そともも(赤肉/ホルスタイン)」で、100gあたり21.3gのタンパク質を含みます。
脂質は5.0gと低く、カロリーも131kcalと抑えめで、まさに筋トレ・減量期に最適な部位です。
牛肉タンパク質ランキングTOP10(100gあたり)
順位 | 部位・種類 | タンパク質(g) | 脂質(g) | カロリー(kcal) | 鉄(mg) | 亜鉛(mg) |
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1 | そともも(赤肉/乳用肥育牛) | 21.3 | 5.0 | 131 | 2.4 | 3.8 |
2 | もも(皮下脂肪なし/乳用肥育牛) | 20.5 | 9.9 | 169 | 1.3 | 4.7 |
3 | もも(皮下脂肪なし/和牛) | 20.2 | 15.5 | 212 | 2.7 | 4.3 |
4 | ランプ(皮下脂肪なし/乳用肥育牛) | 19.7 | 13.9 | 203 | 1.3 | 3.9 |
5 | そともも(皮下脂肪なし/乳用肥育牛) | 19.6 | 11.1 | 179 | 1.3 | 3.5 |
6 | 肩(皮下脂肪なし/乳用肥育牛) | 19.5 | 10.1 | 165 | 1.8 | 4.5 |
7 | 肩(皮下脂肪なし/和牛) | 19.3 | 14.6 | 201 | 2.0 | 4.1 |
8 | 肩ロース(皮下脂肪なし/乳用肥育牛) | 19.1 | 16.4 | 221 | 1.5 | 4.0 |
9 | ヒレ(皮下脂肪なし/乳用肥育牛) | 18.9 | 12.2 | 187 | 1.8 | 4.3 |
10 | ランプ(皮下脂肪なし/和牛) | 18.8 | 15.8 | 215 | 2.0 | 4.0 |
出典:日本食品標準成分表2023(八訂) 文部科学省公式サイト
牛肉タンパク質ランキング|筋トレ・ダイエットに最適な部位TOP10
🥇 第1位:そともも(赤肉/乳用肥育牛)
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タンパク質:21.3g
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特徴:脂肪が少なく、赤身が詰まった部位。噛み応えがあり旨味が強い。
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おすすめ料理:ローストビーフ、シチュー、低温調理ステーキ。
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メリット:低脂質&低カロリーで筋トレ・減量期向き。
🥈 第2位:もも(皮下脂肪なし/乳用肥育牛)
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タンパク質:20.5g
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特徴:脂質9.9gと適度な脂のバランス。和洋どちらの料理にも合う。
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おすすめ料理:赤身ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ。
🥉 第3位:もも(皮下脂肪なし/和牛)
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タンパク質:20.2g
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特徴:和牛ならではの旨味と霜降りのバランス。
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おすすめ料理:焼肉、ステーキ、タタキ。
第4位:ランプ(皮下脂肪なし/乳用肥育牛)
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タンパク質:19.7g
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特徴:柔らかく赤身の旨味が濃い。
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おすすめ料理:ステーキ、ローストビーフ。
第5位:そともも(皮下脂肪なし/乳用肥育牛)
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タンパク質:19.6g
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特徴:1位の赤肉タイプより脂質はやや多め。
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おすすめ料理:煮込み、カレー、ロースト。
第6位:肩(皮下脂肪なし/乳用肥育牛)
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タンパク質:19.5g
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特徴:肩は運動量が多い部位で、筋繊維がしっかりしているため、旨味が濃く、煮込みやスープ料理に最適。
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おすすめ料理:ビーフシチュー、カレー、すき焼き。
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ポイント:脂質が適度で、加熱してもパサつきにくい。
第7位:肩(皮下脂肪なし/和牛)
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タンパク質:19.3g
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特徴:和牛の肩はサシが入りやすく、柔らかさと濃厚な風味が特徴。
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おすすめ料理:しゃぶしゃぶ、すき焼き、薄切りステーキ。
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ポイント:脂質が多めなので、筋トレ減量期よりもバルクアップ期向き。
第8位:肩ロース(皮下脂肪なし/乳用肥育牛)
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タンパク質:19.1g
- 特徴:肩ロースは赤身と脂のバランスが良く、風味豊か。柔らかさとジューシーさを兼ね備える。
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おすすめ料理:ローストビーフ、ステーキ、焼肉。
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ポイント:脂質がやや多いため、摂取カロリーに注意。
第9位:ヒレ(皮下脂肪なし/乳用肥育牛)
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タンパク質:18.9g
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特徴:ヒレは牛肉の中でも最も柔らかい部位。脂肪が少なく上品な味わいで、消化吸収も良い。
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おすすめ料理:フィレステーキ、ビーフカツ、ロースト。
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ポイント:高タンパクかつ低脂質で、胃もたれしにくい。
第10位:ランプ(皮下脂肪なし/和牛)
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タンパク質:18.8g
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特徴:ランプはもも肉の一部で、柔らかく赤身の旨味が強い。和牛ならではの風味と脂の甘みが特徴。
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おすすめ料理:ステーキ、ローストビーフ、焼肉。
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ポイント:赤身と脂のバランスが絶妙で、嗜好性が高い。
筋トレ・ダイエット向けのおすすめ部位
高タンパク低脂質の条件
筋トレやダイエットで牛肉を選ぶ際には、タンパク質が20g前後/100g、脂質が10g以下の部位が理想的です。
タンパク質は筋肉合成や修復に欠かせず、脂質が多すぎると余計なカロリーを摂取してしまいます。
特に減量期は、脂質を1日50g以下に抑えるためにも、部位選びが重要です。
タンパク質が20g前後/100g、脂質が10g以下が理想的と
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脂質10g以下
アメリカ農務省(USDA)では、100gあたり脂質10g未満の牛肉を“リーンビーフ(Lean Beef)”と定義しています。これは心血管疾患リスク低減やカロリー管理の観点から推奨される基準です。 -
タンパク質約20g/100g
日本食品標準成分表2023(八訂)で高タンパクとされる赤身部位(もも・そともも・ヒレなど)は、生肉100gあたり概ね19〜21gのタンパク質を含みます。筋トレ後の筋タンパク合成を最大化するには、調理後1食で20〜30gのタンパク質摂取が望ましいとされており、この値に合致します。
参考:
・USDA Lean Beef Definition – Mayo Clinic
・日本食品標準成分表2023(八訂)
「もも・ヒレ・ランプ」が適している理由
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もも
運動量が多い部位で赤身が多く、和牛・乳用肥育牛ともに高タンパク。脂質が少なく、煮込みやローストなど幅広く調理可能。 -
ヒレ
牛肉の中で最も柔らかく、脂質が少なめ。消化吸収も良く、筋トレ後のリカバリー食として最適。 -
ランプ
もも肉の一部で赤身の旨味が濃く、ステーキやローストビーフに向く。脂質量はやや多いが、赤身中心なら減量期にも使える。
調理時の油やタレによるカロリー増加に注意
どれだけ高タンパク低脂質な部位を選んでも、調理時に油やタレを多く使うと一気にカロリーが増加します。
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ステーキの場合:油をひかずにグリル調理、または少量のオリーブオイルを使用
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焼肉の場合:タレよりも塩・レモンで味付け
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煮込み料理:アク取り後に脂を取り除く
このように調理法を工夫することで、脂質とカロリーを抑えつつ、美味しく食べられます。
牛肉タンパク質摂取の注意点
脂質や飽和脂肪酸とのバランス
牛肉は高品質な動物性タンパク質源ですが、部位によっては脂質や飽和脂肪酸が多く含まれます。
過剰な飽和脂肪酸摂取はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の上昇につながり、心血管疾患のリスクを高める可能性があります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、飽和脂肪酸の摂取エネルギー比率を総エネルギーの7%未満に抑えることが推奨されています。
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脂質の多い部位(バラ、リブロース、肩ロース)は摂取頻度を控えめに
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赤身中心(もも、ヒレ、そともも)で脂質10g以下を目安に選ぶ
鉄・ビタミンB群との相乗効果
牛肉にはタンパク質だけでなく、ヘム鉄・ビタミンB群(特にB12)が豊富に含まれています。
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ヘム鉄:植物性食品に含まれる非ヘム鉄に比べ、吸収率が高く(約15〜25%)、貧血予防や持久力向上に有効。
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ビタミンB12:赤血球生成や神経機能の維持に不可欠。
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ナイアシン・B6:タンパク質の代謝やエネルギー産生を助ける。
特にタンパク質と鉄・ビタミンB群を同時に摂取すると、筋肉合成と疲労回復を効率よく行えるという相乗効果があります。
摂取量目安(成人男性1日60g、女性50g)
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、推奨される1日のタンパク質摂取量は以下の通りです。
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成人男性(18〜64歳):60g
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成人女性(18〜64歳):50g
牛肉100g(赤身)には約20gのタンパク質が含まれるため、
1日の推奨量の3分の1〜2分の1を牛肉から摂取できます。
残りは魚・卵・大豆製品など多様なタンパク源から補うことで、栄養バランスが整います。
まとめ|牛肉は部位選びでタンパク質効率が変わる
- ✔ 部位による差:牛肉は部位によってタンパク質量が大きく異なり、高タンパクな部位は100gあたり20g前後を含みます。
- ✔ 理想の条件:USDAのリーンビーフ基準(脂質10g未満)と、日本食品標準成分表2023の高タンパク部位データから、タンパク質20g前後・脂質10g以下が筋トレ・ダイエットに最適。
- ✔ おすすめ部位:もも・ヒレ・ランプは高タンパクで脂質が少なく、赤身の旨味も豊富。
- ✔ 調理の工夫:油やタレを控え、塩・レモンや低温調理でカロリーを抑えると効果的。
- ✔ 栄養の相乗効果:タンパク質と一緒に鉄・ビタミンB群を摂ることで、筋肉合成と疲労回復を効率化できます。