松坂牛と松阪牛の違いとは?読み方・表記の正解とその背景を徹底解説

「まつさかぎゅう」「まつざかぎゅう」…どちらの表記が正しいのか迷ったことはありませんか?
高級和牛として知られる「松阪牛」には、しばしば「松坂牛」と誤記されるケースが見られます。実際、ネット通販や飲食店でもこの違いが混在しており、消費者としては混乱しやすいポイントです。
本記事では、正式名称の「松阪牛」と「松坂牛」の違いを明確にし、なぜ誤記されやすいのか、そして正しい選び方までを詳しく解説していきます。

この記事の監修者:うしまる
北海道の元農協職員。15年以上、肉用牛農家の経営支援
ファイナンス設計・新規事業立ち上げを経験。
現在は「牛肉会」の編集長として、科学的かつ実務に基づいた牛肉情報を発信中。
結論:「松阪牛(まつさかうし)」が正しい表記です
最初に結論からお伝えします。
「松坂牛」という表記は誤りであり、正しくは「松阪牛(まつさかうし)」です。
松阪牛協議会やJA全農みえなど、公式団体や農協、自治体でも一貫してこの表記を使用しており、「松阪」の地名表記が正式です。
【Point】
✅ 「坂」ではなく「阪」
✅ 読み方は「まつさかぎゅう」ではなく「まつさかうし」
誤表記「松坂牛」が生まれた理由
「松坂牛」という表記が広まった背景には、以下の3つの要因が存在します。
1. 松阪市の読みが「まつさか」であるにも関わらず…
人名や地名には「坂」と「阪」が混在するケースが多く、「松坂慶子」や「坂本」などの表記に引きずられて「松坂」と記されることが増えたと考えられます。
2. 読みが「まつさかぎゅう」と間違われやすい
「牛」は「ぎゅう」と読まれるのが一般的なため、「まつさかぎゅう」=「松坂牛」と誤解されやすい点も影響しています。
3. 通販サイト・飲食店でも誤記が常態化している
一部のネットショップや飲食店がSEO対策や誤認誘導のために「松坂牛」という表記を意図的に使うこともあり、消費者の認識がさらに混乱しています。
松阪牛の定義と認定基準
「松阪牛」は三重県松阪市および周辺22市町村で飼育された黒毛和種の未経産メス牛に限定されます。
松阪市の公式ホームページ(松阪牛とは|松阪市)によれば、松阪牛の定義は以下のように定められています。
「松阪牛」とは、黒毛和種で、松阪牛個体識別管理システムに登録され、三重県内の指定された地域(三重県松阪市、津市、多気町、明和町、玉城町)のいずれかで肥育された未経産雌牛であることが条件です。
※引用元:松阪牛とは|松阪市公式サイト
以下のような厳格な基準が設けられています。
項目 | 内容 |
---|---|
品種 | 黒毛和種 |
性別 | 未経産メス |
出生地 | 全国可(但馬牛など) |
肥育地 | 三重県内22市町 |
月齢 | 出荷時30か月以上が目安 |
認定団体 | 松阪牛協議会、松阪市農業協同組合 |
重要ポイント
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認定を受けた牛には「松阪牛個体識別証明書」が発行される
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すべての松阪牛に「個体識別番号」があり、消費者でも確認可能
松阪牛と他ブランド牛との違いを簡単におさらい
「松阪牛」はよく他のブランド牛と比較されます。以下の記事でそれぞれの違いを詳しく解説していますので、ぜひ併せてご確認ください。
👉 松阪牛と神戸牛の違いとは?味・価格・育て方をわかりやすく徹底解説!
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👉 牛肉のメスとオスの違いとは?メス牛が美味しいとされる理由を解説
間違えない!松阪牛を購入する際のチェックポイント
間違った表記で販売されている牛肉には注意が必要です。特に通販サイトでは下記を確認しましょう。
✅ 商品名が「松阪牛」と明記されているか
✅ 個体識別番号の記載があるか
✅ 「松阪牛証明書」または「松阪牛シール」の有無
✅ 楽天市場など信頼できるモールを活用する
まとめ
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「松阪牛」が正しい表記。「松坂牛」は誤記であり正式には使われない。
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地名「松阪市」に基づくブランド名で、読みは「まつさかうし」。
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誤記の背景には、表記揺れ・一般認識・流通現場の誤用がある。
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本物の松阪牛には、厳しい認定基準と証明書の付与がある。
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楽天市場では「松阪牛」と明記された商品を選ぶのが安心。