神戸牛はなぜ高い?黒毛和牛や他のブランド牛と比較してわかるその理由

神戸牛は、全国に数多く存在するブランド牛の中でも特に高値で取引されています。
その理由は、単なる黒毛和牛ではなく、「血統」「基準」「生産体制」すべてがトップクラスだからです。
この記事では、神戸牛がなぜ高額になるのかを、黒毛和牛や他の有名ブランド牛との比較も交えて、わかりやすく解説します。
神戸牛はただの黒毛和牛ではない
まず前提として、神戸牛は黒毛和牛の一種ですが、黒毛和牛=神戸牛ではありません。
神戸牛は、黒毛和種の中でも「但馬牛(たじまうし)」という兵庫県産の純血種を親に持つ牛に限定されており、厳格な条件をクリアしなければ「神戸ビーフ」の称号は与えられません。
神戸牛が高額になる4つの理由
1. 厳しすぎる「選定基準」:合格率は約3割
神戸牛と名乗るためには、以下の条件すべてを満たす必要があります。
条件項目 | 基準内容 |
---|---|
素牛 | 兵庫県内で生まれた但馬牛であること |
飼育地 | 兵庫県内の指定生産者により育てられたもの |
歩留等級 | AまたはB |
肉質等級 | 4等級以上 |
BMS(霜降り度) | No.6以上 |
枝肉重量 | 470kg以下 |
このように、出荷される牛のうち「神戸牛」として認定されるのは約3割程度です。つまり、供給量そのものが非常に少ないのです。
2. サシの質と脂の融点:他ブランドと比較して口溶けが圧倒的に良い
和牛の美味しさはサシ(霜降り)の質で決まります。特に脂の融点の違いは食感・香り・風味に直結します。
牛肉の種類 | 脂肪融点(目安) |
---|---|
神戸牛(但馬系) | 約17〜20℃ |
一般黒毛和牛 | 約25〜30℃ |
経産牛 | 約30℃以上 |
神戸牛は、人肌でとろけるほど脂がなめらかで、脂っぽさを感じさせないのが特徴。その分「融点の低い脂をつくる」ための飼料管理や育成コストがかかります。
3. 圧倒的な希少性と流通の厳格さ
神戸ビーフは「兵庫県産の但馬牛の中で、格付けに合格したもの」に限られ、年間流通量は約6,846頭程度。これは全国の黒毛和牛出荷頭数(約60万頭)のうちのたった1.0%程度しかありません。
比較:他ブランド牛の出荷数(年間)
ブランド牛 | 出荷頭数(概算) |
---|---|
神戸牛 | 約6,846頭 |
米沢牛 | 約2,500頭 |
近江牛 | 約12,000頭 |
希少だからこそ、高くなるのは当然の市場原理といえるでしょう。
4. ブランドとしての信頼と輸出実績
神戸ビーフは「世界三大ビーフ」として認知されており、欧州やアメリカでも高級レストランで扱われています。
海外では100gで5,000〜10,000円を超えることも。
国内でも「認定証付き」「トレーサビリティ管理」「登録マーク」などで、ブランド維持コストがかかっており、その分価格に反映されています。
実際の価格を比較してみると…
以下は楽天市場などで見られる価格帯の比較です(A5等級・サーロイン200g前後)。
種別 | 価格帯 | 備考 |
---|---|---|
神戸牛 | 10,000〜14,000円 | 認定証付き・贈答用 |
黒毛和牛(全国ブランド) | 4,000〜7,000円 | 近江牛、飛騨牛など |
一般和牛(A3等級など) | 2,500〜4,000円 | ギフト向けではない家庭用 |
つまり、神戸牛は一般黒毛和牛の約2〜3倍の価格になることも珍しくありません。
だから神戸牛は高い。だが価格に見合う価値がある
神戸牛が高額なのは、次の3つが揃っているからです。
-
肉質(脂の質とサシの細かさ)が別格
-
流通量が極端に少なく、合格率も低い
-
ブランド力と国際的な評価が確立している
つまり「ただ高い」のではなく、「高くなる理由がある」ブランド牛です。
関連記事(内部リンク)
まとめ
-
神戸牛は黒毛和牛の中でも“選ばれた牛”のみが名乗れる
-
脂の質が極めて高く、融点は他の牛よりも低い(17〜20℃)
-
年間流通は約5,500頭、全国の黒毛和牛の1%未満
-
他ブランド牛よりも2〜3倍の価格だが、それに見合う価値がある
-
世界でも評価される「別格の牛肉ブランド」
神戸牛の美味しさをご自宅で体験したい方へ(PR)
記事を読んで「本物の神戸牛を味わってみたい」と思われた方には、以下のような信頼できる商品がおすすめです。
🎁 ギフトにも最適なA5等級神戸牛(楽天市場)
とろけるようなサシと上質な脂を味わえる、A5等級神戸牛のサーロインステーキ(200g〜1kg)。
贈り物としても人気があり、桐箱包装や風呂敷オプションも選べます。
|
お得に楽しむならふるさと納税
A5等級 神戸牛サーロインステーキ200g×2枚(計400g)を返礼品として受け取れます。
冷凍配送・ギフト対応可能で、家族団らんや特別な日のディナーにもおすすめです。
|

この記事の監修者:うしまる
北海道の元農協職員。15年以上、肉用牛農家の経営支援
ファイナンス設計・新規事業立ち上げを経験。
現在は「牛肉会」の編集長として、科学的かつ実務に基づいた牛肉情報を発信中。