2024.11.18

A5ランクより上の牛肉はある？解説します

牛肉太郎

牛肉の品質について興味を持つ方の中には、「A5ランクより上の牛肉は存在するのか？」という疑問を抱くことがあるかもしれません。
本記事では、A5ランクの基準や誤解されがちなポイントについて詳しく解説します。

A5ランクより上のランクはない

結論として、A5ランクより上の牛肉は存在しません。
なぜなら、日本の牛肉格付け基準においてA5が最高評価と定められているからです。
中には「A5ランクを超える牛を食べたことがある。」「A12ランクを食べたことがある。」といった口コミを見ますが、ありえません。
「A5ランクを超える牛肉」という表現は誤解を招く可能性があります。

A5ランクとは？

日本の牛肉格付け基準

日本では牛肉の格付けが日本食肉格付協会によって定められています。この格付けは、肉質と歩留まり（可食部の割合）によって決まります。

歩留まり等級（A～C）
歩留まり等級は、枝肉の重量に対してどれだけ食べられる部分が多いかを評価したものです。
– A: 歩留まりが良い（最も多くの食用部分が取れる）
– B: 標準的な歩留まり
– C: 歩留まりが少ない
肉質等級（1～5）
肉質等級は、肉の見た目や味を評価するもので、以下の4つの基準があります。
– 脂肪交雑（霜降り具合）
– 肉の色沢
– 肉の締まりときめ細かさ
– 脂肪の色沢と質

A5ランクとは、歩留まりが最高ランクの「A」、肉質が最高ランクの「5」に分類された牛肉のことを指します。

BMS（ビーフ・マーブリング・スタンダード）との混同に注意

A5ランクと混同されやすい指標として、BMS（ビーフ・マーブリング・スタンダード）があります。
BMSは霜降りの度合いを数値で示したもので、1から12の範囲で評価されます。
BMS12はA5ランクの中でも最も霜降りがあり、高級とされています。
そのためか、「BMS12だからA5より上」という誤解が生じることがありますが、これは正しくありません。

BMS12もA5の中のランクの一つであり、A5以上のランクではないためです。

A5ランクの牛肉はそこまで珍しくない？

A5ランクの牛肉は、「最高級」のイメージがあるため、非常に珍しいと考えられることが多いですが、実際のところ、最近では肉用黒毛和種全体の60%以上がA5ランクに該当します。
十年ほど前は全体の20～30％程度しかA5の牛肉がありませんでしたが、近年は日生産者が高品質な牛肉を育てる技術を持ち、厳しい基準を満たすための努力を重ねていたため、割合が高くなりました。
しかし、注意すべき点として、同じA5ランクでも産地や飼育環境によって、味は大きく異なるという点が存在します。
たとえば、ブランド和牛（神戸牛や松阪牛など）として知られる牛肉は、A5ランクでも特に品質が高く評価されています。
一方で、ブランド牛ではないA5の牛肉を食べた場合、味に大きく差があることがあります。
A5ランクというのは味のランクではなく、霜降り具合を表しているだけだからです。
そのため、Aランクの牛肉を選ぶ際はその他のポイントを確認しながら、選ぶ必要があります。

A5ランクの牛肉を選ぶ際のポイント

A5ランクの牛肉は、現在市場で広く流通しており、手に入れやすくなっています。その中で、より満足度の高い牛肉を選ぶためには、以下のポイントに注意してください。

ブランド牛を選ぶ
同じA5ランクでも、ブランド牛は品質管理や飼育方法が徹底されているため、より高い満足感が得られる可能性があります。
産地や肥育方法を確認
飼育環境や与えられた飼料が牛肉の味に大きく影響します。特に自然環境やストレスの少ない環境で育てられた牛は、味わい深い肉質を持つことが多いです。
霜降り具合だけにこだわらない
霜降りが多いほど良い肉と思われがちですが、赤身部分の旨味や食感にも注目することで、バランスの取れた美味しさを楽しめます。