国産牛

霜降り牛は日本だけ?海外にない理由とは

牛肉でよく聞くBMSって何?A5やA4とどう違うの?
牛肉太郎

「霜降り牛」と言えば、日本の和牛を思い浮かべる方が多いでしょう。
肉に大理石模様のような脂肪が美しく入り込んだこの肉質は、特にA5ランクの和牛で広く知られています。
しかし、霜降り肉のような高品質な牛肉がなぜ海外ではあまり見られないのか?
この記事では、日本の霜降り牛が特に独自の存在である理由について解説します。

霜降り牛とは?

まず、霜降り牛の基本的な特徴を押さえておきましょう。
霜降り牛肉は、筋肉内に均等に分布した脂肪が特徴で、その結果として肉は非常に柔らかく、風味が豊かです。
霜降りの度合いが高いほど、肉は口の中でとろけるような食感を持ち、和牛の評価基準である「BMS(ビーフ・マーブル・スコア)」で高評価を受けます。
このような牛肉は、日本国内だけでなく世界中でも「プレミアム」として非常に高い評価を受けています。
実はこの霜降り牛は日本独自の牛として知られており、海外ではほとんど見られません
その理由について次の章で解説していきます、。

 

海外に霜降り牛がない理由

では、なぜこの霜降り牛が海外では一般的に見られないのでしょうか?ここでは、主な理由をいくつか挙げて説明します。

1. 和牛の遺伝的特徴

霜降り牛の大きな特徴の一つは、和牛の遺伝的な特性にあります。
日本で飼育される和牛、特に黒毛和種は、筋肉内に脂肪を蓄える能力が他の牛種と比べて非常に高いです
この遺伝的な特徴が、霜降り牛を作り出す基盤となっています。

一方、海外で主に飼育される牛種、例えばアンガス牛やホルスタイン牛などは、筋肉内に脂肪を多く蓄える特性が低いため、霜降りの度合いが和牛ほど高くなりません
遺伝子の違いが、肉質の差を生む大きな要因となっているのです。

 

2. 肥育方法の違い

霜降り牛の生産には、非常に手間のかかる特別な肥育方法が必要です。
和牛は通常、長期間にわたって飼育され、一定の時期からは特別な飼料を与えられることで、筋肉内に脂肪がゆっくりと蓄積されます。
この飼料には、大麦やコーン、米ぬかなどが使われ、バランスよく成長させることが重要です。

対照的に、海外の牛は通常、短期間で成長させることを目的とした肥育が行われます
飼料には成長を促進するための栄養が多く含まれており、効率的な肉量の増加が重視されるため、霜降りのような細かい脂肪の入り方は期待できません。
結果的に、海外で生産される牛肉は、日本の和牛に比べて赤身が多く、脂肪が少ないのです。

 

3. 消費者の嗜好の違い

消費者の嗜好の違いも、霜降り牛が日本に限られている理由の一つです。
日本では、霜降り牛のように脂肪分の多い肉が高級品とされ、脂肪がもたらす柔らかさや旨味が重視されます
特に焼肉やすき焼きなど、和食の調理法においては、霜降りの度合いが高い肉がより美味とされ、人気が高いです。

一方、欧米をはじめとする海外の多くの国では、赤身肉が好まれます
脂肪の少ない肉が「健康的」とされ、特にヘルシー志向の強い国では、霜降り牛の脂肪分が敬遠されることもあります。
さらに、ステーキなどの調理法においては、赤身の多い肉が焼き加減や風味の点で好まれるため、霜降り肉の需要は相対的に低いです。

4. 環境と経済的要因

和牛を霜降りにするための肥育プロセスは、時間とコストが非常にかかります。
牛を長期間飼育し、特別な飼料を与えることで、和牛の価格は非常に高くなります。
そのため、こうした高コストの肥育方法は、効率を重視する海外の畜産業では採用されにくいのが現状です。

また、土地や水資源の豊富な国々では、広い牧場で放牧される牛が一般的です。
これに対して、日本は土地が限られているため、牛は飼育場で集中的に管理されます。
この集中的な管理方法も、和牛特有の霜降り肉を作る要因の一つです。
海外では放牧によって筋肉質な牛が育つため、霜降りのような脂肪が入りにくいのです。

5. 和牛の輸出制限

和牛の遺伝的特徴が海外に伝わらないもう一つの理由として、和牛の輸出制限があります
日本政府は長らく、和牛の精液や受精卵などの遺伝資源の輸出を制限してきました。
これにより、和牛が海外で繁殖されることが防がれており、日本特有の高品質な霜降り牛が守られています。

現在では、アメリカやオーストラリアなど一部の国で和牛の血統を持つ牛が飼育されており、それらの国でも霜降り牛の生産が試みられていますが、完全に日本の和牛と同じ品質の霜降り肉を生産することは難しいとされています。

海外にも霜降り牛は存在するのか?

日本以外でも、霜降り牛肉を生産する試みはありますが、日本の和牛ほどの霜降り度合いを持つ肉は稀です
例えば、アメリカでは「アメリカンWagyu」と呼ばれる牛肉が存在し、和牛の血統を持つ牛を交配させた結果、霜降りの入った牛肉が生産されています。
また、オーストラリアでも「フルブラッドWagyu」として和牛を純血で育て、霜降り肉を提供していますが、日本産の和牛ほどの品質には達していません。

 

結論

霜降り牛が日本にしかない理由は、和牛特有の遺伝的特徴、特別な肥育方法、消費者の嗜好の違い、そして経済的・環境的要因が複雑に絡み合っているからです。
海外でも霜降り牛の生産は試みられているものの、日本の和牛と同じレベルの霜降り肉を提供することは難しい現状です。
そのため、高品質な霜降り牛を楽しむためには、やはり日本産の和牛が最も優れていると言えるでしょう。

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