2024.09.05

霜降り牛とは？育て方と健康への影響を解説

牛肉太郎

霜降り牛とは何か？

霜降り牛とは、筋肉内に細かく脂肪が分布している牛肉を指します。
筋肉の間にまるで霜が降りたような見た目から「霜降り」という名前が付きました。
特に日本で有名な「和牛（黒毛和種）」は、その脂肪の分布が美しい霜降り模様を形成することが評価されています。
この脂肪は「サシ」と呼ばれ、見た目の美しさだけでなく、食べた時の口溶けや風味、柔らかさを向上させます。

霜降り牛は一般的に高級品とされ、A5ランクなどの格付けでも脂肪交雑（BMS）という基準で評価されます。
脂肪の量と質が良いほど、高いランクが付けられ、市場価格も上昇します。
BMSは最大12まであり、BMS12が霜降り度合いが最も高く、値段も最も高級とされています。

霜降り牛の育て方

霜降り牛を育てるには、特別な管理と時間が必要です。
主に和牛の中でも黒毛和種が霜降りの良さで知られており、その育て方は非常に細かく調整されています。
育て方について簡単に解説していきます。

1.血統の選定

霜降り牛を育てるには、まず優れた血統の和牛を選ぶことが重要です。
特に黒毛和種は霜降りが美しい牛を生みやすい傾向があります。
黒毛和種には様々な種類の血統があり、特に良い血統の牛は霜降り牛になりやすいという特徴があります。
そのため、育成の際には、霜降りの出やすい血統を選んで交配させることが一般的です。　

2.飼育環境の管理

霜降り牛を育てるためには、ストレスを極力減らした環境が不可欠です。
牛がストレスを感じると、脂肪の質や分布に悪影響を与えることが知られています。そ
のため、広い牛舎でゆったりと過ごさせることや、静かな環境を整えることが重視されます。

3.特別な餌

霜降りを良くするためには、牛の餌にも特別な工夫がなされています。
特に稲わら、トウモロコシ、大豆、麦など、栄養価の高い飼料を与えることが一般的です。
特定の肥育期間には、脂肪の質を向上させるために高カロリーの飼料を集中的に与えることもあります。

4.肥育期間の延長

通常の牛に比べて、霜降り牛の肥育期間は長めです。
一般的に、約30ヶ月以上飼養されており、脂肪がじっくりと筋肉に入り込むように育てられます。
この期間の長さが霜降りの品質を決定づける重要な要素です。

霜降り牛の健康への影響

霜降り牛はその美味しさと柔らかさで多くの人に愛されていますが、健康面での懸念もあります。
特に脂肪の多さが健康にどのような影響を与えるのか、気になる方も多いでしょう。
実際に霜降り牛を食べるとどのような影響があるかを解説していきます。

脂肪の種類

霜降り牛の脂肪には、飽和脂肪酸が多く含まれています。
飽和脂肪酸は過剰に摂取すると、心血管系のリスクを高める可能性があるため、注意が必要といわれています。
しかし、和牛の脂肪は、一般的な肉の脂肪よりも溶けやすいと言われており、比較的消化しやすい特徴があります。

コレステロールとの関係

高脂肪の食事は、悪玉コレステロール（LDL）の増加を引き起こしやすいとされていますが、適量を守れば、特に問題はありません。
健康に配慮するなら、和牛を一度に大量に食べるのではなく、適度な量を楽しむことが推奨されます

食べ過ぎによる影響

脂肪分が多い霜降り牛を大量に食べると、消化器官に負担をかける可能性があります。
特に胃がもたれやすい方や、高脂肪食に慣れていない方は、少量から始めるのが良いでしょう。
また、霜降り牛を食べる際には、野菜などの食物繊維を一緒に摂ることで、消化を助けることができます。

健康的に霜降り牛を楽しむポイント

霜降り牛を美味しく、そして健康的に楽しむためには、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。

適度な量を楽しむ
高級な霜降り牛を一度に大量に食べるのではなく、少量をじっくりと味わうことで、健康に配慮しながらその美味しさを堪能できます。
野菜と一緒に食べる
霜降り牛の脂肪は消化に時間がかかるため、食物繊維が豊富な野菜と一緒に食べることで、胃腸への負担を軽減しやすくなります。
油分の少ない部位を選ぶ
サシの量が多い部位は非常に美味しいですが、健康を気にする場合は、少し脂肪の少ない部位を選ぶのも一つの方法です。たとえば、ヒレ肉は脂肪が少なく、比較的ヘルシーに楽しめる部位です。
交雑種やの選択肢
霜降りが強い和牛に比べて、交雑種（F1牛）やその他の品種は、脂肪分が少なく、食べやすい特徴があります。
たとえば、交雑種の「ふくなが牛」は、和牛に近い風味を持ちながら、脂肪分が少なく、胃にも優しいため、健康面でも優れた選択肢です。