国産牛

国産ホルスタインブランド牛まとめ|味・特徴・買い方まで徹底解説

牛肉太郎

ホルスタインといえば乳牛のイメージが強いですが、日本各地で「ブランド牛」として肉用に育てられている銘柄が増えています。
赤身の旨味が濃く、価格も手ごろなため、一般消費者の間でも注目度が高まっています。
本記事では、全国のホルスタインブランド牛の種類・特徴・味・価格・購入方法まで徹底解説します。

この記事でわかること

  • ✅ ホルスタインでも「ブランド牛」として楽しめる銘柄の種類と特徴
  • ✅ 黒毛和牛との肉質・味・価格の違い(失敗しない選び方)
  • ✅ 部位別にわかるおすすめ調理法(ステーキ/ロースト/煮込み)
  • ✅ ホルスタインのブランド牛の入手方法

 

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この記事の監修者:うしまる

北海道の元農協職員。15年以上、肉用牛農家の経営支援
ファイナンス設計・新規事業立ち上げを経験。
現在は「牛肉会」の編集長として、科学的かつ実務に基づいた牛肉情報を発信中。

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ホルスタインは乳牛だけじゃない(概要・特徴)

原産・特徴(乳量が多い/赤身主体の肉質)

ホルスタイン種(Holstein–Friesian)は、オランダ北部〜ドイツ北部(フリースラント地方)由来の乳牛で、白と黒の斑模様がトレードマーク。世界的に高い乳量で知られ、日本の酪農でも主力品種です。
肉質は赤身主体で、脂は比較的あっさり。近年は、専用設計の肥育(飼料・月齢・ストレス管理)によって旨味とやわらかさを引き出した「ブランド牛」展開も増えています。

日本における飼養頭数(農林水産省データ)

農林水産省の統計では、乳用牛の飼養頭数は約140~150万頭
近年は戸数の減少と1戸当たり頭数の増加という大規模化の進展が見られます。地域的には北海道が最大の飼養地で、国内供給を支えています。
出典:農林水産省「畜産統計調査(令和7年2月1日現在)」

※統計の詳細は農林水産省の公開資料をご参照ください。

肉牛として利用されるパターン(廃用牛・肥育専用)

区分 概要 味・食感の傾向 向いている料理
廃用牛 搾乳を終えた雌牛。熟成や切り出しを工夫して食肉利用。 噛みごたえが出やすい一方、コク深い旨味 シチュー、カレー、煮込み、ミンチ加工
肥育専用 雄や搾乳しない雌を若齢から穀物肥育。18~22か月前後で出荷される例が多い。 赤身の香りと旨味、脂は軽く後味すっきり。 ステーキ、ローストビーフ、焼肉
交雑種(F1) ホルスタイン雌×黒毛和牛などの交配。成長性×霜降りのいいとこ取り。 適度なサシと柔らかさでバランス良好。 すき焼き、しゃぶしゃぶ、幅広い用途

要点メモ: ホルスタインは乳牛の枠を超え、赤身の旨味を活かした“ブランド肥育”が全国で進展。価格も比較的手ごろで、日常のごちそうに選びやすいポジションです。

ホルスタインブランド牛が生まれる理由

① 赤身肉ブームの追い風

近年、健康志向や食の多様化により、霜降り一辺倒から赤身肉を好む層が拡大しています。
ホルスタインは赤身中心の肉質で、噛みしめるほどに広がる香りと旨味が魅力。脂の量が控えめなため、「たくさん食べても重く感じにくい」という利点もあります。
外食産業でも“赤身ステーキ”や“グラスフェッド風の肉料理”の人気が上昇し、ホルスタインブランド牛の需要増につながっています。

② 飼養技術向上による肉質改善

かつてのホルスタイン肉は「硬い」「風味が薄い」といった印象を持たれがちでしたが、飼養技術の向上によって状況は一変しました。
例えば、

  • 配合飼料の見直し(穀物・牧草・副産物のバランス)
  • 肥育期間の最適化(18〜22か月肥育で旨味と柔らかさを両立)
  • ストレス管理(広めの牛舎や放牧で血中乳酸値を安定)
  • 熟成技術の導入(ウェットエイジング/ドライエイジング)

これらの取り組みにより、ホルスタイン肉の持つ赤身の香りとコクが最大限引き出され、ブランド化に耐えうる品質が確立されつつあります。

③ 黒毛和牛より手頃な価格で提供可能

黒毛和牛は手間と時間のかかる肥育(平均30か月以上)や高額な飼料コストにより、市場価格が高くなります。
一方、ホルスタインは乳用種としての成長スピードの速さや、肥育日数の最適化により、黒毛和牛の約半分程度の価格帯で市場に出せるケースが多いです。
この「高品質×手頃な価格」という組み合わせは、外食産業や一般家庭の購入ハードルを大きく下げ、ブランド牛としての普及を後押ししています。

まとめポイント: ホルスタインブランド牛は、市場ニーズ(赤身志向)生産技術の進化、そして価格優位性という三拍子がそろったことで、全国的に存在感を高めています。

 

ホルスタインのブランド牛一覧

ブランド名 産地(都道府県) 味の特徴 価格帯(100gあたり) 入手方法
健育牛 青森県(七戸町) ホルスタイン種の雄牛を長期肥育。赤身中心で脂肪が少なくあっさり。旨味しっかり。 黒毛和牛より安価、普段使い向き 生協ルート、産地直売、通販
しほろ牛 北海道(士幌町) 脂肪が少なくジューシーで柔らかな赤身。若丸や交雑種も展開。 和牛より求めやすい価格 JA士幌町、ふるさと納税、JAタウン通販
豊西牛 北海道(帯広市) 黒毛和牛の管理ノウハウ活用。味わい深い赤身でステーキやロースト向き。 和牛よりリーズナブル 直営通販(Yahoo!ショップ等)
美夢牛 北海道(美瑛町) 広大な牧草地で一貫肥育。柔らかく旨味たっぷりで赤身好きに人気。 和牛より手頃、ヘルシー志向向け 道内外量販店、直販サイト
はこだて大沼牛 北海道(七飯町) 柔らかい赤身に適度な脂肪。脂は甘く上品な風味。 和牛より抑えめ価格 道南直売所、HBCショップ通販
美深牛 北海道(美深町) とろけるような脂身と良質な旨み。赤身とのバランス良好。 やや高めだが高品質 直売所、道の駅びふか、ふるさと納税
宮崎ハーブ牛 宮崎県 4種ハーブとビタミンE強化飼料。臭み少なく柔らかジューシー。 宮崎牛よりリーズナブル JA直販店、通販、ふるさと納税

黒毛和牛との違い(比較表付き)

比較項目 ホルスタイン(ブランド肥育) 黒毛和牛
肉質(霜降り vs 赤身) 赤身主体
サシは控えめ。筋繊維の旨味や香りを楽しむタイプ。部位によりしっかりした噛みごたえ。
霜降り主体
きめ細かいサシで、やわらかく口どけ良い食感。
脂肪融点(目安) やや高め(約 35〜45℃
後味は比較的さっぱり。脂の主張は控えめ。
低め(約 26〜32℃
体温で溶けやすく、口溶けが良い。
味の方向性 旨味と香りが前面。肉らしさが強く、食べ疲れしにくいのが利点。 脂の甘み・コク・リッチ感を堪能。少量でも満足度が高い
価格帯(100gあたりの目安) コスパ重視
約 400〜1,100円
(部位・銘柄・熟成有無で変動)
高級帯
約 800〜2,500円以上
(産地・等級・ブランドで大きく変動)

※数値は一般的な目安です。個体差・飼養設計・等級・流通条件(相場・季節・熟成)により上下します。購入時は各販売ページの表示価格・仕様をご確認ください。

まとめ|ホルスタインブランド牛は赤身の旨味と価格の手頃さが魅力

  • ✔ 乳牛の枠を超えた存在: ホルスタインは、高乳量の乳牛として知られる一方で、全国各地で赤身の旨味を活かしたブランド牛としても注目されています。
  • ✔ 赤身志向にマッチ: 霜降りよりも赤身主体の肉質で、香りと旨味をしっかり楽しめ、食べ疲れしにくいのが特徴です。
  • ✔ 生産技術の進化: 配合飼料の工夫や肥育期間の最適化、熟成技術の導入などにより、柔らかく風味豊かな肉質が実現しました。
  • ✔ コスパの高さ: 黒毛和牛の約半額〜7割程度の価格帯(100gあたり約400〜1,100円)で高品質な牛肉が楽しめます。
  • ✔ 多彩なブランド: 北海道のしほろ牛・豊西牛・美夢牛をはじめ、青森の健育牛、宮崎ハーブ牛など全国各地に個性豊かな銘柄が存在し、通販やふるさと納税で手軽に購入可能です。
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