カルビとステーキの違いを徹底比較!部位・カロリー・おすすめシーンまで解説

焼肉屋に行くと必ず目にする「カルビ」。一方、洋食レストランや自宅の特別な夕食に登場する「ステーキ」。
どちらも牛肉ですが、実は呼び方・部位・調理法・カロリーや脂質量まで大きく異なります。
特に「カルビ=脂っこい」「ステーキ=高級」というイメージを持つ方も多いですが、それは半分正解で半分誤解です。
この記事では、カルビとステーキの本当の違いを栄養面・価格・味・食感・調理法まで徹底的に解説します。
この記事でわかること
- ✅ カルビとステーキの定義と部位の違い
- ✅ 焼肉とステーキの調理法・味・食感の違い
- ✅ カルビとステーキのカロリー・脂質量比較(100gあたり)
- ✅ カルビ派・ステーキ派のおすすめ食べ方とアレンジ
- ✅ 栄養価を踏まえた選び方のポイント

この記事の監修者:うしまる
北海道の元農協職員。15年以上、肉用牛農家の経営支援
ファイナンス設計・新規事業立ち上げを経験。
現在は「牛肉会」の編集長として、科学的かつ実務に基づいた牛肉情報を発信中。
カルビとステーキの違いは「呼び方」「部位」「脂質量」「食文化」
まず結論から言うと、カルビとステーキは肉質の優劣ではなく、呼び方・部位・調理法・食文化の違いによって区別されます。
■ 呼び方の違い
-
カルビ=韓国語「갈비(カルビ)」が由来で、直訳すると「アバラ骨」。
日本の焼肉文化においては、バラ肉を中心とした脂の多い部位を指し、肋骨周辺の中バラ(三角バラ)・外バラ(ブリスケット)・肩バラなどが含まれます。
韓国では骨付きの状態で提供されることも多く、骨周りの濃厚な旨味が特徴です。 -
ステーキ=英語 “steak”。肉を厚切りにカットして焼き上げる調理法を指す言葉で、肉の種類や部位は問われません。
牛肉ではサーロイン・リブロース・ヒレ・ランプ・肩ロースなどが代表的で、部位ごとに味わいや食感、栄養価が大きく異なります。
■ 部位の違い
-
カルビ=ほぼバラ肉限定。赤身よりも脂身の比率が高く、旨味成分であるオレイン酸を豊富に含みます。
-
ステーキ=特定部位ではなく、赤身から霜降りまで幅広い部位が選ばれる。脂が少なくヘルシーなヒレ、霜降りのサーロイン、旨味の強いリブロースなど、好みや用途で選べます。
■ 脂質量・カロリーの違い
日本食品標準成分表2023(八訂)によると、和牛のバラ肉(カルビ)は100gあたり脂質約54g・カロリー約502kcalと高脂肪。
一方ステーキ用のヒレ肉は脂質10g・カロリー約223kcalと大きく異なります。
つまり、カルビは脂の旨味、ステーキは部位によってヘルシーにも高級霜降りにもなるのが特徴です。
以下は日本食品標準成分表2023(八訂)を基にした数値です。
部位(和牛) | エネルギー (kcal) |
たんぱく質 (g) |
脂質 (g) |
---|---|---|---|
ヒレ(皮下脂肪なし) | 223 | 19.1 | 10.8 |
リブロース(皮下脂肪なし) | 502 | 10.3 | 54.4 |
サーロイン(皮下脂肪なし) | 422 | 12.9 | 42.5 |
カルビ(ばら・脂身つき) | 472 | 11.0 | 50.0 |
もも(皮下脂肪なし) | 212 | 20.2 | 15.5 |
そともも(皮下脂肪なし) | 219 | 18.7 | 16.6 |
ランプ(皮下脂肪なし) | 293 | 16.0 | 26.4 |
出典:日本食品標準成分表2023(八訂)(文部科学省サイト)
■ 食文化の違い
-
カルビ=日本では焼肉店やBBQの定番。タレに漬け込み、短時間で焼いて楽しむスタイルが主流。複数人でシェアしやすく、カジュアルな食事シーンに向いています。
-
ステーキ=欧米では家庭料理としても日常的に食べられ、日本では外食や特別な日のメニューとして人気。厚切りをじっくり焼き上げ、塩コショウやソースで味わう「主役料理」です。
■ 市場価格の傾向
-
焼肉用カルビは100gあたり500〜800円前後(和牛の場合)で販売されることが多く、脂質が多い分歩留まりは低め。
-
ステーキ用サーロインは100gあたり1,000〜2,000円が相場で、高級店やブランド牛ではさらに高額に。
このように、カルビとステーキは見た目や味の印象だけでなく、文化的背景・部位構成・栄養面・価格レンジまで違いがあるのです。
カルビとステーキの違いを一目で比較
比較項目 | カルビ | ステーキ |
---|---|---|
主な部位 | バラ肉(中バラ・三角バラなど) | サーロイン・リブロース・ヒレ・ランプなど |
切り方 | 薄切り・短冊切り | 厚切り(2〜4cm) |
調理法 | 焼肉・タレ漬け | 直火焼き・グリル |
味の特徴 | 脂の甘み・ジューシー | 肉の旨味・香ばしさ |
おすすめシーン | BBQ・焼肉パーティー | 記念日・ご褒美ディナー |
栄養価から見る選び方
目的別に、脂質量・たんぱく質量・カロリーの観点から最適部位を選べます(出典:日本食品標準成分表2023〈八訂〉
文部科学省)。
高タンパク・低脂質を求める人
- 和牛 もも(皮下脂肪なし):212kcal / たんぱく20.2g / 脂質15.5g
- 和牛 そともも(皮下脂肪なし):219kcal / たんぱく18.7g / 脂質16.6g
- 交雑牛 ヒレ(赤肉・生):229kcal / たんぱく19.0g / 脂質18.0g
※添付整形データに和牛ヒレ行が無いため、ヒレは交雑牛データを掲載。
旨味とジューシーさ重視(脂の甘みを楽しむ)
- 和牛 カルビ(ばら・脂身つき):472kcal / たんぱく11.0g / 脂質50.0g
- 和牛 リブロース(皮下脂肪なし):502kcal / たんぱく10.3g / 脂質54.4g
→ タレ焼き・厚切り短時間焼きで“脂の香り”を活かすのがコツ。
バランス重視(赤身と脂のちょうど良い間)
- 和牛 サーロイン(皮下脂肪なし):422kcal / たんぱく12.9g / 脂質42.5g
- 和牛 ランプ(皮下脂肪なし):293kcal / たんぱく16.0g / 脂質26.4g
→ サーロインは霜降り寄り、ランプは赤身寄り。好みで選び分け。
部位 | エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 脂質(g) | おすすめタイプ |
---|---|---|---|---|
和牛 もも | 212 | 20.2 | 15.5 | 減量・筋トレ中 |
和牛 そともも | 219 | 18.7 | 16.6 | 日常使い・ヘルシー |
交雑牛 ヒレ | 229 | 19.0 | 18.0 | 高たんぱく・上質赤身 |
和牛 ランプ | 293 | 16.0 | 26.4 | 赤身寄りで満足感 |
和牛 サーロイン | 422 | 12.9 | 42.5 | バランス派・ご褒美 |
和牛 カルビ | 472 | 11.0 | 50.0 | 旨味・ジューシー重視 |
調理法と食べ方の違い
🍖 カルビ(焼肉用バラ肉)
-
下味
カルビは脂が多く肉質も比較的柔らかいため、醤油・みりん・砂糖・にんにく・ごま油をベースにしたタレがよく合います。
タレ漬けは糖分がメイラード反応を促進し、短時間で香ばしい焼き色をつけられます。 -
焼き方のポイント
-
強火で短時間(片面30〜60秒)が基本
-
脂が落ちすぎると旨味も失われるため、焼き過ぎはNG
-
表面がカリッとしたら裏返して即仕上げ
-
-
失敗回避
焼きすぎによるパサつきは最大の敵。網の端や弱火ゾーンを活用して「保温焼き」に切り替えるのも有効。 -
おすすめの食べ方
タレ焼き→サンチュや大葉で巻き、キムチや味噌を添えると脂が軽く感じられる。
🥩 ステーキ(厚切り部位)
-
下味
基本は塩コショウのみ。塩は焼く直前に振ることで、肉汁の流出を防ぎます。
高級部位(サーロイン・ヒレ)はあえてシンプルにして肉本来の香りを引き出すのが◎。 -
焼き方のポイント
-
焼き加減はレア〜ミディアムレアが人気
-
表面は強火で焼き固め(1分〜1分半)、内部は弱火+余熱で火入れ
-
厚切りは低温調理(55〜58℃)→仕上げ焼きが最もジューシー
-
-
失敗回避
直火で中まで焼こうとすると外側が硬くなりがち。中心温度計を使うと安定した焼き加減が可能。 -
おすすめの食べ方
赤ワインソース、バター&ハーブ、わさび醤油などで味変しながら楽しむ。
項目 | カルビ | ステーキ |
---|---|---|
下味 | タレ(醤油・みりん・砂糖) | 塩コショウ |
火加減 | 強火で短時間 | 強火で焼き固め→弱火 |
焼き時間 | 片面30〜60秒 | 片面1〜1.5分+余熱 |
失敗例 | 焼きすぎで脂落ち&パサつき | 外硬く中生焼け |
おすすめの食べ方 | サンチュ巻き+キムチ | わさび醤油/赤ワインソース |
まとめ|カルビとステーキは“同じ牛肉”でも別物
- ✔ 呼び方・文化の違い:
カルビは韓国語由来でバラ肉中心の焼肉用、ステーキは厚切り焼き肉料理の総称で欧米由来。 - ✔ 部位と脂質量の差:
カルビは脂質50g前後と高脂肪、ヒレやももは脂質10〜18gと低めで高たんぱく。 - ✔ 栄養面での選び方:
減量・筋トレ中はももやヒレ、脂の旨味重視ならカルビやリブロース、バランス派はサーロインやランプ。 - ✔ 調理法の違い:
カルビはタレ漬けで短時間高火力、ステーキは塩コショウで厚切りをじっくり火入れするのが基本。 - ✔ シーン別の使い分け:
BBQや大人数ならカルビ、記念日や特別な食事にはステーキがおすすめ。
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